▲Rd17ブラジルGP(1):勝手にF1ドライバーズ・コンテスト2007

ちょっと、いや結構「筆が滑る」部分も多々あるとは思いますが、その怒りは笑って受け流しつつも、コメント欄へぶつけて下されば幸いです。

第17戦 ブラジルGP(インテルラゴス)

●ポール・ポジション……フェリペ・マッサ(フェラーリ)<通算9回目>
●優勝……………………キミ・ライコネン(フェラーリ)<通算15回目>

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F1-Live.comより
http://www.f1-live.com/f1/jp/photos/2007/gpinterlagos/diapo_346.shtml

ブラジルに咲いた遠山桜(?)、悲願のタイトルを決めてパルクフェルメに凱旋するキミ・ライコネン


【今回「頑張ったドライバー」】


キミ・ライコネン(フェラーリ:優勝) 10点

ロバート・クビサ(BMWザウバー:決勝5位) 3点

中嶋一貴(ウィリアムズ:決勝10位) 3点

フェリペ・マッサ(フェラーリ:決勝2位) 2点

ニコ・ロズベルグ(ウィリアムズ:決勝4位) 1点

ルイス・ハミルトン(マクラーレン:決勝7位) 1点



やはり天は「何があろうと淡々と爆走を続けるキミ」に最後は味方した。

レース前はタイトル争いで一番不利な立場にいた(ナノに3点差、ルイスに7点差)キミが予選3位から今季最多勝となる6勝目をマーク、チャンピオンシップ・ポイントで一時は23点も付いていた大差をひっくり返し、見事悲願の初タイトルを射止めた。私自身は彼の近親者でもチームの関係者でもないが、ライコネンは今日もダメだった」という展開を予想していただけに、そして彼の初タイトルを見たいと何年もずっと待ち望んでいただけに、自分自身のことのように嬉しい。

このブラジルでポールを獲ったのはタイトル争いからは後退していたフェリペ・マッサ。このところ今ひとつ元気がない感があったが、2年連続のポール獲得はさすがだった。というかマクラーレン勢どころかタイトルのかかっているチームメイトの前にまで出てみせたところがヤッターマン・マッサ」の真骨頂だ。

「レースやってんのはオメエラだけじゃねえんだよ!」と言わんばかりのホール・ショット。続いてマクラーレンのルイス、チームメイトのキミ、そしてナノといった配列、これで得点差とも相まって決勝レースの展開が一気に興味深いものとなった。

優勝するか2位でなければ、いやもう実質は優勝するしかタイトルの芽がないキミ、仮にキミが優勝しても2位に入れば3年連続のタイトルが転がり込んでくるナノ、そしてナノが勝てば3位、キミが勝つのなら5位で十分なルイス……自身のグリッドはナノよりも、キミよりも前の2番手、となればスタートでポジションキープできた時点で8割方タイトルは彼のものになるはずだった。

そしてレース開始、キミはまたもや奇数側スタートの利を生かしたのか、ホール・ショットをキメてルイスの前に出る。そして3位に落ちたルイスに4位スタートのクック亭ロビンが襲いかかる。ルイスも無理に突っ張らなくてもよかったのかもしれない。でも「優勝でタイトルを決めたい」のは彼もまた同じだったのだろう。結局「当たり負け」してポジションを大きく落としたのはハミルトンの方だった。それでもルイスは遅れを取り戻すべく中団から一気にポイント圏内の6位にまでに追い上げる。しかし例になくしゃにむに前に出ようと必死なルイスに更なる不運が襲いかかる。レース前から懸念されていたギアボックスのトラブルに見舞われ、またも順位を大きく落としてしまう。それでも無線で対策を聞いたのか、自然に元に戻ったのか、ルイスのマクラーレンは辛うじてコースに踏みとどまった。

序盤から中盤、タイトルを狙う3人のドライバーのポジションと課題がはっきりしてきた。2位を走るライコネンは、「ミハエル施政下」ならトップのマッサが後に下がって後続相手にドライビング・スクールという展開だと思うが、今はそういうチーム・オーダーはレギュレーション違反だ。とすればキミは自力でフェリペを抜くしかない。ピットに入る際に「ここぞという時のスーパーラップ」を叩き出せるか。

一方3位のアロンソは意外とペースが上がらずキミからじりじりと引き離されていく、となれば今は様子見のポジションキープ。しかし後から3ストップ作戦で第2スティントのスパートに賭けているのか、ファニーフェイスのクビサがしきりにつついてくる。

そして後方18位まで順位を下げてしまったハミルトンはとにかく前に出るのみ。しかし中団グループはマシンの性能差があるとは言え、簡単には抜かせてくれない曲者揃いだ。三者三様、それぞれの課題を持ちながら予断を許さない展開が続くこういった「論点が分かりやすい」レースは見ていて面白い。

第2スティント、それぞれに少しずつ動きがあった。キミは最初のピット・インで「ここ一発」が出せず、ピット出口でもマシンを少しスライドさせてまたもマッサの後、ナノは最終的には2度目のピット・インのタイミングで挽回するものの3ストップのクビサに一度はオーバーテイクされてしまう。まるで他チームの優勝決定が懸かった一戦での「ロッテの初芝大明神」を彷彿とさせる「タイトル、そんなのオレら関係ないモンねー」と言わんばかりのロバートはやっぱり見ていて楽しいドライバーだ。そして大幅なジャンプ・アップを期してルイスは1回目のピット・インで燃料軽め&ソフトタイヤ装着のギャンブルに出る。その意気やよし。

ここで迎えた2回目のタイヤ交換……キミが遂に「ここ一番の一発」を叩きだしてバーニング、マッサに代わって首位に踊り出る。一方ナノはフェラーリ2台のペースには最後まで追いつけず、「まさかの一瞬」を待ちながら3位をキープし続けるしかなかった。また、ギャンブルに出て一気に躍進を狙ったハミルトンは一歩及ばず、7位入賞に終わった。F1史上初のルーキー初タイトルまであと2台。ポイント常連の中団グループの意地と手強さが最終的には「タイトルストッパー」となったか。そして「1986年のアラン・プロスト」と化したキミ・ライコネンが数週間前には誰しも予想もしていなかった大団円を迎える。

シリーズ・リーダーのハミルトンに対して、最大23点もあった得点差を最後の最後で「星一徹」してのけた一瞬だった。




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