◇第8回:サイロどこへ行った?

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城岱牧場 展望台 2005年10月22日 14:20


大沼公園を14:00に出発すると、次は城岱(しろたい)スカイラインを通って城岱牧場へと向かいました。
しかし、雨は全く降り止む気配もなく、しょぼしょぼと降り続いています。

朝から定観バスに乗っていて、道程も後半に入ってきた段階で、おや、と気になったことがあります。

北海道、というとまずどういう風景を連想されるでしょうか?
オレ的には、開けた牧草地帯の端っこに赤い煉瓦のサイロが建っている風景をまず連想するのですが、通っている場所が悪いのか、全然そういう風景に出会わなかったのです。

強いて言えば、上磯町の「男爵資料館」(第4回参照)でサイロを見たくらい・・・と思ってたところ、外を見るとなにやら白とか黒のビニールのようなものを被せた円柱状の物体がピラミッド状に積んであったり、はたまた無造作に並べられたりしているのに気が付きました。いや、牧草というよりは何かゴミでも固めてあるのか、と思っていましたが・・・。

と、ガイドさんがまるでこっちの気持ちを読んでいるかのように、「北海道といえば・・・」から始まり、「そういえばサイロって見かけませんよね・・・」と説明を始めたのです。さすがプロ、というかみんなこの辺りに来る観光客の「定番の反応」を見越しているんでしょう。

で、この白とか黒とかのビニールのようなものを被せた円柱状のブツがサイロの代わりだというのです。

ガイドさんのお話と、EPOさんの「まったりパソコン日記」:“正体が分かりました”、それから北海道酪農研究センターWebページ:「北海道の酪農研究」(上のメニューから“冬越しの飼料サイレージ”をクリック)をまとめると、こういうことになるそうです。

*本来は、夏の間に牧草を集めてサイロに貯め、それが冬になるころには発酵して「サイレージ」という飼料になり、冬にはそれをエサとして使う。
*しかし、この作業は、牧草を担いでサイロに登り、屋根の所から牧草を落とすという重労働。北海道といえども、夏には気温30℃くらいになる暑い日もある。
*近年では、農村の高齢化が進み、高齢者には相当の負担になってきた。
*そこで考え出されたのが「ロールベールサイレージ」(「ロールサイレージ」「ラップサイレージ」ともいいます)。これなら機械で牧草を円柱状に固めて、あとはビニールを被せておけば簡単に「サイレージ」が作れる。
*作業の負担を大幅に軽減するこのシステムが、今急速な勢いで従来のサイロに取って代わっている。

肝心の「ロールベール(ラップ)サイレージ」の写真ですが、バスの中から・・・ということで、結局撮れずじまいでした。
上記のEPOさんのページや北海道酪農研究センターのページに写真がありますので、そちらをご覧下さい。こういうときは・・・やっぱりレンタカーの方が便利ですね。もっともこのブツの正体に気付かず、「何かけったいなもんあるなぁ」で終わっていたかもしれませんが・・・。

ところで、肝心の城岱牧場ですが・・・本来は近隣の酪農家から夏場の間だけ牛や馬を預かって放牧させる町営の牧場ということで、今はほとんど牛や馬は元のところへ帰されている、ということでした。それから、峠を登り切って少し下がったところにある展望台からは函館市街が展望できる(函館山の「裏夜景」ともいうらしい)そうですが、生憎の天気で、下界の景色は望めませんでした。

晴れなら、本来こういう景色が見られるそうです。
HAKODATE CLIP:城岱スカイライン(動画)

ここといい、大沼公園といい、誰か「雨男」がいるに違いありません。わがツアーメンバーのリーダーである主幹さんは「オレは晴れオトコやのになぁ」としきりにぼやいておられましたが・・・この方が案外「ビンゴ」だったのかも(笑)。

でもまぁ、雨の中の紅葉もまた幻想的でよかったです・・・とここでも負け惜しみを言っておきます。


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「昆布館」駐車場から見上げた城岱牧場