▲Rd13ハンガリーGP:勝手にF1ドライバーズ・コンテスト

ちょっと、いや結構「筆が滑る」部分も多々あるとは思いますが、その怒りは笑って受け流しつつも、コメント欄へぶつけて下されば幸いです。

第13戦 ハンガリーGP(ハンガロリンク)

●ポール・ポジション キミ・ライコネン(マクラーレン) 通算11回目
●優 勝 ジェンソン・バトン(ホンダ) 初優勝<通算113戦目>

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【今回「頑張ったドライバー」】



ジェンソン・バトン(ホンダ:優勝) 10点


ここまで後一息のところで不運に泣かされ続けてきたジェンソン・バトンが遂に待望の初優勝をマークした。「第3期ホンダ」の初優勝がこういう形でやってくるとは誰が予想しただろうか。バトンはエンジン交換のためグリッド10ポジション降格となり14番手からスタート、今季最高位の3番グリッドからスタートした僚友バリチェロに期待が集まる中、ハンガリーGP史上初のウェットコンディションとなった決勝レースの転機は、首位アロンソを追う2位ライコネンが周回遅れのリウッツィ(トロ・ロッソ)と絡んでクラッシュし、セーフティカーが入った26周目にやって来た。

この間に他車が一斉にタイヤ交換のためピット・インするのを横目で見ながら、ジェンソン&ホンダ陣営はピットインのタイミングをずらすというギャンブルに出る。そしてアロンソの後ろ2位に着けたジェンソンは再スタート後、ハイペースでナノを追い回し、いつもならここでタイヤがメタメタになるかエンジンがブローするか、はたまたピット作業に手間取るか「一人上手」でナノを先に行かせてしまうところなのだが今回は違った。思いもよらない展開で焦りが出たのか、今回はナノ&ルノー陣営がタイヤ交換でミスるという「一人上手」でリタイヤ。ホンダ陣営は終盤路面のコンディションがドライに変わる展開も折り込み済みの「想定内」内だったのか絶妙のタイミングでドライタイヤに交換、2位に上がってきたフェラーリのミハエルがタイヤ交換のタイミングを逃して苦しむ姿を後目にジェンソンは悠々とゴールした。

まるでジェットコースタードラマのような波乱のレース展開の中、打った手がことごとく当たった痛快な勝利、勝つときは案外こんなものなのかもしれない。正直「ジェンソンではホンダは勝てない」とネガティブに思っていたのだが「勝つ味」を遂に覚えたジェンソン&ホンダのこれからに期待したい。


これまで実力は評価されながらもテストドライブという地味な仕事を続けてきたペドロにもついに表彰台という栄誉を得る日がやって来た。フォーメーション・ラップでいきなりスピンを喫してその後の展開が危ぶまれたが、決勝がいざ始まってみると波乱の展開の中ステディに走り続けて上位に躍り出た。

終盤、2位を死守すべくウェットタイヤで突っ張り続けるフェラーリのミハエルとの数周にわたるバトルは圧巻だった。「勝負は最初から決まっていた」と言われるかもしれないが、ストレートエンドではエンジンの差で、低速コーナーでは絶妙のブロッキングワークで辛うじて凌ぎ続けるミハエルとの空中戦は決して楽ではなかったと思われる。来季の去就を賭けて、一戦ごとにパフォーマンスをツンデレロン・デニスに問われているペドロにとって、「無理をせずに無理をしなければならない」バトルだったが、2位表彰台は今回求め得る最高の結果と言えるだろう。

表彰式後のインタビューで、「これまで10年間もプッシュしてテストして、旅をして頑張ってきたんだから、それだけの努力はしたと思うんだ。今は雲の上にいる気分だよ。」のセリフには泣けた。

ニック・ハイドフェルト(BMW:決勝3位) 3点


これまで今ひとつ運がなく、今季は何とかBMWザウバーのシートを得たニックにもようやく久々の表彰台に登る機会がやってきた。今季は中団で熱くバトルを続け、ステディに入賞を重ねて結果を残してきた。今回は、終盤ペドロに2位を奪われ、手負いから「死に体」になりつつあったミハエルにバトルのリズムを立て直させる間を与えずオーバーテイクを仕掛け、まさに彼からもぎ取った表彰台だったと言えるだろう。来季は順当に行けばそのままBMWのシートは間違いないところだと思われるが、どうか「資金力とプレゼン能力だけの」ドライバーに奪われないことを切に祈りたい。


金曜フリー走行で「スポーツマンシップに反する行為」として予選全セッションで2秒タイム加算のペナルティを受けたナノ。何でもドーンボス(レッドブル)が前に行かせてくれない、と腕を振り上げて怒りを露わにし、その後ドーンボスの前に無理矢理出ると見え見えのブレーキテストを敢行したという。もうアホかとしか言いようがない。前にも言ったかもしれないが、そんなパフォーマンスをやってサマになるのはナイジェル・マンセル大明神が「オレを誰だと思ってるんだ走法」をやった時だけであって(爆)、ナノがそんなことをするのは100年早い。

で、予選はこのペナルティのせいで第3ピリオドには進めず15番手からのスタートとなった。でもここからタイヤ選択が決まったのか極端なレイン・セッティングのギャンブルに出たのか決勝では鬼神のアタックでトップに躍り出たのはさすがというべきか。でも今回も微妙にリズムが狂ってしまう。26周目のセーフティーカー導入で40秒以上あったマージンを吐き出し、なおのこと不運だったのはそれがタイヤ交換時期に重なっていたことで、ホンダとフェラーリ勢のノーピットインというギャンブルに揺さぶりをかけられてしまう。今回は終盤のミハエルのギャンブル失敗に助けられた形になったが、残り5戦、ミハエルとの「心理戦」がどうなっていくのかが注目される。


予選で赤旗提示時に追い抜きを仕掛けたとして、アロンソと同じ2秒加算ペナルティを受け、11番手からのスタートとなってしまう。ただ、ミハエル自身は「ビデオを見てくれれば何が起こったかがわかる」と暗に「アロンソがわざとペースを落としてオレをハメた」とアピール。まぁ何というか、レースやってるのはアンタらだけじゃない、とだけ言っておきたい。

今回の決勝は、BSのレインでのパフォーマンスが芳しくなく、一時はアロンソにラップされ、セーフティカー導入時に打ったノーピットインのギャンブルで取り戻したものの、終盤レインタイヤでドライコンディションを突っ張り通すという賭けに失敗、出入りの多いレース運びとなった。結果、先にリタイヤしてノーポイントとなったアロンソとの得点差を一気に縮める絶好のチャンスを失ってしまうこととなった…。レース終了時は、「9位完走扱い」だったが、運良く(?)7位に入賞したBMWのクピカが重量規定違反で失格、繰り上がりで8位に入賞、しぶとくも1ポイントをもぎ取った。

残り5戦…ミハエルとアロンソのタイトル争いの中に、これまで「脇役」とされてきたドライバーたちが絡んでくるとまた面白い。




【「今回頑張ったドライバー」第13戦までのランキング】
1位 70点 フェルナンド・アロンソ(ルノー)
2位 58点 ミハエル・シューマッハ(フェラーリ)
3位 26点 ジャンカルロ・フィジケラ(ルノー)
4位 21点 フェリペ・マッサ(フェラーリ)
5位 20点 キミ・ライコネン(マクラーレン)
6位 13点 ジェンソン・バトン(ホンダ)
7位 11点 デビッド・クルサード(レッドブル)
8位  6点 ペドロ・デ・ラ・ロサ(マクラーレン)
9位  5点 ニック・ハイドフェルト(BMW)
9位  5点 ラルフ・シューマッハ(トヨタ)
9位  5点 ニコ・ロズベルグ(ウィリアムズ)
9位  5点 マーク・ウェバー(ウィリアムズ)
13位  4点 ファン=パブロ・モントーヤ(マクラーレン)
14位  3点 ヤルノ・トゥルーリ(トヨタ)
14位  3点 アンソニー・デビッドソン(ホンダ)
14位  3点 ルーベンス・バリチェロ(ホンダ)
17位  2点 佐藤琢磨(スーパーアグリ)
18位  1点 ビタントニオ・リウッツィ(トロ・ロッソ)
18位  1点 アレクサンダー・ブルツ(ウィリアムズ)
18位  1点 ジャック・ビルヌーブ(BMW)