▲Rd17日本GP:勝手にF1ドライバーズ・コンテスト

ちょっと、いや結構「筆が滑る」部分も多々あるとは思いますが、その怒りは笑って受け流しつつも、コメント欄へぶつけて下されば幸いです。

第17戦 日本GP(鈴鹿)

●ポール・ポジション フェリペ・マッサ(フェラーリ)<通算2回目>
●優 勝 フェルナンド・アロンソ(ルノー)<通算15回目>

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F1-Live.comより
http://f1.racing-live.com/f1/jp/photos/2006/gpsuzuka/diapo_377.shtml

久々に出たナノの勝利の舞 ~逆イナバウアー改め変則「クック=ロビン音頭」


【今回「頑張ったドライバー」】



アンソニー・デビッドソン(ホンダ・金曜サード) 8点


金曜朝一番のフリー走行…を実際に観戦するのは社会人、学生問わずなかなか難しい。会議やイベントの案内文の定型句として「万障繰り合わせて」というフレーズがあるが、鈴鹿近辺に住んでいる人ならともかく、そうでなければ木曜日、あるいは水曜日も休みを取って来なければ間に合わなかったりする。かくいう私もここ何年かは諸般の事情があって金曜夜の出発だ。今年もそうだった。

そして今年の金曜朝は、小雨の降りしきるコンディション。天気予報によれば、その後は晴れることが分かっており、参考にもならないデータを取るためにわざわざリスクを冒して出てくることもあるまい、ということなのか。実際このセッションに出てきたのはわずか11台だった。

そういう状況の中、まず最初に姿を現したのはスーパーアグリ山本左近、次いでホンダのリザーブアンソニー・デビッドソン。「顔見せ」を終えてピットへ退いた左近に対し、アンソニーは8周にもわたって一人周回を重ねていった。雨にもかかわらず、金曜日の朝一に「万障繰り合わせて」集まったスキモノたちの「気持ち」に応えるかのようなアンソニーの、いやホンダの「心意気」とも言うべき力走。「ファンサービス」や「顔見せ」だけじゃないホンダのレースに、そして鈴鹿に対する想いなのだろうと思う。

この話を私にしてくれた人は、アンソニーの激走を見ているうちに、思わず目頭が熱くなってしまったのだという。やはりホンダという会社は昔も今も「モーターレーシングを売る会社」でもあると改めて思った。敢えて言わせてもらいたいが、トヨタにそこまでできるか。レースは勝負事である以上、「勝ったヤツが偉い」のも、そのモチベーションがマーケティングであることもちろん否定しないが、「勝利やマーケティングと同じくらい大切なもの」だってあるのだ。


ミハエル・シューマッハ(フェラーリ・決勝リタイヤ) 4点


優勝目前の残り17周、2回目のピットストップの直後に今季初の 、いやフェラーリ111戦ぶりのエンジンブローがミハエルを襲ったが、それまでの流れは完全に彼に向いていたように思われた。圧巻は予選第2ピリオドで叩き出し、サーキット全体を歓声と悲鳴と嬌声で揺るがした1分28秒954のコースレコード最終的な予選結果は1分29秒711で2位に終わったが、前にいるのは他ならぬチームメイト。

決勝では予定どおり(?)3周目にマッサにトップを譲ってもらいトップを快走するが…鈴鹿に「レースの神様」がいるとするなら、その神様はなかなか手厳しい。「勝利は自らの手でつかみ取るもの、人に譲ってもらったり、くれてやったりするもんじゃない」ということか。

そういえば、92年の鈴鹿も、僚友パトレーゼにシーズン初勝利を「くれてやろう」としていたマンセルのウィリアムズ・ルノーV10がまるで天罰を受けたかのようにレース終盤、突然白煙と炎を上げてブローしたことを思い出した。


フェリペ・マッサ(フェラーリ・決勝2位) 3点


ミハエルの「サポート」をする傍ら、今回のフェリペは自分のレースの組み立てもできていたと思う。予選の第3ピリオド、まず飛び出したミハエルに心理戦を仕掛けようと続いて出ていこうとした青のパタリロの前に割り込んで出鼻をくじき、揺さぶりを掛けながらもポール獲得。決勝ではダミーグリッドに付く際に大トリを務め、しかも大観衆に存在をアピールするかのようにゆっくりとマシンを進める姿には貫禄さえ漂っていた。その瞬間、マッサは紛れもなく「フェラーリ・ドライバー」だった。

そして決勝スタート、3周目には「何気にミハエルにトップを譲って」後続の押さえに取りかかる。ここまでは彼らのシナリオどおりだった。しかしそこから歯車は少しずつ狂い始める。タイヤのパンクでマッサは予定外の早めのピット・イン。変則的なピットストップのために第2スティントはペースが上がらず、彼の前に出たナノはじりじりとミハエルとの差を詰めていくことになる。

ミハエルの項でも書いたが、「何気にミハエルにトップを譲った」その行為が鈴鹿の「レースの神様」の怒りに触れてしまったのか。あくまでもフェリペが自らの勝利のために爆走してこそ、フェラーリのダブル・タイトルの芽もあったのだろうと思う。もしそのままフェリペが勝ったとしても、ナノにとっては点差以上のダメージだったろう。「もうオレは勝てないのかもしれない症候群」に追い込むことができたのだから。



今回の決勝スタート前、カナダGPを最後に優勝のないナノの心はバキバキに折れていただろう。しかしその約1時間20分後にパルクフェルメで「クック=ロビン音頭」を踊りながらマシンを降りることになろうとは本人も予想していなかったに違いない。上海がミハエルの「タナボタ勝利」だったように、今回のナノの優勝も「タナボタ」だったと思うが、ボタ餅をゲットするには「棚の下」で待ち続けていなければいけない。餅はいくら待っても落ちて来ないかもしれない。しかも、その「棚の下」で待ち続けていられるとも限らない。

今回のナノは、目の前のレースに集中する心だけは折れずに辛うじて残っていたようだ。5番手からスタートした彼は、オープニングでまずはトヨタトゥルーリを交わして4位に浮上。そして第2スティント前のピット・ストップで一気にミハエルに次ぐ2位へと躍進してじわじわとプレッシャーを掛け続け、最後には勝利をたぐり寄せた。

しかしながら、エンジンブローで止まったミハエルの横を「ガッツポーズしながら駆け抜けた」のはどうにもいただけない(爆)。いや、気持ちは痛いほど分かるが、ガッツポーズは少なくとも自らの幸運をかみしめるチェッカーの瞬間までは取っておいてほしかった。



昨年はファイナルラップで豪快な大外刈りをキメて優勝したここ鈴鹿も、今回はまさかの予選第2ピリオドノック・アウトの11位。その瞬間、サーキット実況アナのピエール北川氏が「ライコネン、ノォック・アウトォーーーーー!!!」と絶叫、その声は鈴鹿市内はおろか、隣町の津や四日市まで鳴り響いたという(嘘)。決勝は鬼のような追い上げで5位に入るも、またしても今回も勝てなかった。

サーキットランドのステージにキミのマクラーレンが展示されていたが、シルバーとつや消しの黒、そして朱色のカラーリングはまるで生き物のようなマシンの形と相まって本当にカッコイイ。しかもディスプレイはバックにキミの遠くを見つめるポートレイトがしつらえられて「クール」そのもの。でもそのカッコよさが勝利に結びつかない切なさが今年のマクラーレンを象徴していた。残り1戦、次こそは…。



予選12位、決勝9位…一見平凡にも見える今回のリザルトだったが、途中スピンを喫しながらも中団バトルにとどまり続け、最後は入賞を狙ってチームメイトを追い回して見せた勢いはとても今シーズン途中から本格参戦したドライバーには見えない。猫ひろしのようなちょっと見トボケた顔をしている彼はまだ21歳。どうやらピットは彼に「8位を狙ってハイドフェルトとバトルをしてみろ」という指示を出したらしい。ディレクターのマリオ・タイセンというおっさん、「サーキットの月亭可朝」というか「BMWの愛田社長」みたいないかにもアヤしげな風貌だが、どうしてなかなかのタヌキである(笑)。



【「今回頑張ったドライバー」第17戦までのランキング】



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南コース駐車場から見えた虹は…ルノーの青、フェラーリの赤 10月7日早朝

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本当にCool!!なキミのマクラーレン

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決勝当日、トヨタに負けじとホンダも「大応援団」を繰り出した…

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BAR001に2006年仕様のカラーリングを施したホンダのモック・アップ(笑)

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子供たちは、レースそっちのけで探検中…スプーン入口自由席横の木立の中で

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サーキットランドの人気アトラクションだった「ぶんぶんばち」今は乗り場とゴンドラが残るだけ