▲Rd1オーストラリアGP:勝手にF1ドライバーズ・コンテスト2007

ちょっと、いや結構「筆が滑る」部分も多々あるとは思いますが、その怒りは笑って受け流しつつも、コメント欄へぶつけて下されば幸いです。

開幕戦 オーストラリアGP(メルボルン)

●ポール・ポジション … キミ・ライコネン(フェラーリ)<通算13回目>
●優 勝 ………………… キミ・ライコネン(フェラーリ)<通算10回目>

イメージ 1


【今回「頑張ったドライバー」】




久々にキミの完勝劇を見せてもらった。環境が変わり、チームメイトがライバル意識を露わにする中、金曜、土曜とフリー走行はぼちぼち、といった感じだった。でも公式予選ではきっちり結果を出してポール・ポジション。そして決勝では終始危なげのないレース運びで、トップを明け渡したのはピットインの時だけだった。もともと表情が顔に出ない(?)タイプっぽい(ただし宴会時除く)ので、この勝利をどう思っているかは分からないが…内心かなりのウハウハものだろうと思われる(笑)。

確かにチームメイトに起こった「不運」にも助けられた面はあると思うが、とりあえずは文句のない勝利といってよいだろう。あと一歩のところでタイトルを逃すこと2回、もうそろそろ悲願のワールド・チャンピオンになってもよい頃だ。



昨年結局一度も勝てなかったマクラーレンに移籍したパタリロ殿下。「まだクルマには慣れていない」と言いつつも金曜朝一番のセッションでは堂々のトップ・タイム。3つ年下のルーキーをチーム・メイトに迎え、決勝こそスタートでハイドフェルトのチャージに割を食って遅れを取ったが、それでも終わってみれば「ピット・イン・オーバーテイク」でハミルトンを抜いて2位をゲットした。さすがレース運びには一日の長あり、といったところか。まるでアラン・プロストをも彷彿とさせる「水のような」ドライビング&ここぞというときのチャージ。やっぱりナノの加入はチームにモチベーションを与えている、といったところだろうか。

タイトルの行方はもう2、3戦見てみないと何とも言えないところだろうが、いずれにしてもキミとナノの間で激しく争われることになるのだろう。



昨年のGP2チャンピオンにしてマクラーレンリザーブ&テスト・ドライバー…とはいえいきなりのトップチームからのメジャーデビューは疑問視する向きも多々あっただろう。私も正直言って「何でペドロを乗せない」と思っていた。

しかし、いざ金曜朝にセッションが始まってみると、チームメイトと遜色のないタイムを連発、決勝では第2スティントまでエースの前を走り続け、キミのピット・インの間はラップリーダーも堂々と務めてみせた。やっぱりロンが欲しがる、というか余所には渡したくない「逸材」ということか…。

それにしても「国際F3000選手権」がF1にステップアップしそこねたドライバーのたまり場と化しつつあった状況から、レギュレーションやプロモーションなどを見直し、新たな「ステップ・アップ・カテゴリー」として変貌した「GP2選手権」…。この件に関してはFIAの識見を称えるべきだと思う。


ニック・ハイドフェルト(BMW:決勝4位) 2点


昨シーズン終盤から彗星のごとくF1にデビューを果たしたチームメイトのクビカの存在は、確かにニックにとってはプレッシャー以外の何者でもなかっただろう。しかもチームのマネージメントは若き「ポーランド猫ひろし」を焚きつけるかのように煽り立ててくる…とくれば、開幕戦を前にしてニックの心中はいかばかりのものであったか。そして金曜日はチームメイトが好タイムを連発、これで「焦るな」という方が無理かもしれない。

しかし土曜の予選本番ではそれまでのオトシマエを付けるかのように3位を獲得、決勝でもホール・ショットを決めて序盤は2位を走行し続けた。十分表彰台圏内だったのだが、ピット・インのタイミング、その前後のラップのスピードはやはりマクラーレンに遅れを取って4位に終わったのは残念だった。

ツンデレのロンはニックが早めに1回目のピットに入ったのを見とがめて「単なる目立ちたがり」と酷評したそうだが、そんなこと知ったことか(爆)。彼の「オレをナメてんじゃねえ」走法が今回チーム側に一発くさびを打ち込んだことは間違いない。


フェリペ・マッサ(フェラーリ:決勝6位)  1点


開幕前からキミへの激しいライバル意識を隠そうともせず自らのテンションを高めていった感のあったフェリペ、実際金曜のセッションからのリズムは必ずしも悪くなかった…予選の第2ピリオドまでは。しかし思わぬギアボックスのトラブルとエンジン交換ペナルティが重なって最後尾スタートという奈落に叩き込まれてしまう。

決勝はなかなかポジションを上げられない中、他車がこぞって2ストップを選択したのに対して、1ストップ作戦のギャンブルに出て何とかポイントをもぎ取った。ルノーフィジケラを最後は追いきれなかったところが微妙と言えば微妙だが、最後尾からトップと同一周回までポジションを挽回したドライビングにポイントを付けておきたい。でも最初のリズムは良かっただけにこの遅れはちょっと痛い。


ニコ・ロズベルグ(ウィリアムズ:決勝7位) 1点


昨シーズンは、開幕の頃に見られたまばゆいばかりのオーラが中盤当たりから完全に消えてしまった感があったが…やはり中団バトルで1年揉まれ続けたのは決してムダではなかった。予選は第2ピリオド落ちの12位、しかし決勝の58周を走りきってみれば7位入賞、2ポイント獲得はなかなかのパフォーマンスと言えよう。

しかも本家トヨタのラルフとのバトルに打ち勝ってのポイント獲得は地味ながらも大きい。ただマシン・パフォーマンスを考えれば、「本家トヨタよりを出し抜いて優勝」というのはまだまだ早いかも…。


佐藤琢磨(スーパーアグリ:決勝12位) 1点


これが昨シーズン常にテールエンダーをキープし続けたチームなのか…今季も冬のテストは好調を伝えられつつも、ニューマシンの発表は例によってグランプリウィークの水曜というドタバタぶりは昨シーズンの再現を予感させた。がひとたび金曜朝のセッションが始まってみると、琢磨、アンソニーともに中団以上の好タイムを次々とマーク。土曜日の朝はアンソニーが4番手に付ける躍進ぶりだった。

そして午後の予選では悲願の第2ピリオド進出…どころか琢磨が驚愕のファイナル進出。我らが電気系統・鈴木亜久里監督が「ウヒョヒョヒョヒョ」と言わんばかりに笑いながらパドックを歩く姿がフジの実況で映し出された(笑)。

いつも「荒れる」決勝の例年の展開から考えると、念願のSAF初ポイントを十分予感させるパフォーマンスだったが…残念ながら上位陣の脱落は今回に関してはほとんど見られなかったために惜しくも得点はならなかった。

どうやらスパイカーあたりが「アグリのマシンはホンダのやつをそのまま流用してるだけとちゃうか」といちゃもんを付けてきているようだが…いずれにせよ、琢磨が再び「中団バトル」に戻ってきたことを今回は素直に喜びたい。


<番外編 フジテレビの実況>


あのオープニングは一体何だったのだろうか(笑)。近未来サイバーフォーミュラを時代がかったアメリカン・コミックで描いてみせるというプランは一体全体どういうロジックで社内のプレゼンを通ったのだろうか…ぜひ聞いてみたい。

でも去年のタレントのプロモーションまがいの実況とどちらを取るかと言われれば、サイバーフォーミュラで我慢する。ていうか、そんなに一般視聴者にCS買わせたいのか。