▲Rd2マレーシアGP:勝手にF1ドライバーズ・コンテスト2007

ちょっと、いや結構「筆が滑る」部分も多々あるとは思いますが、その怒りは笑って受け流しつつも、コメント欄へぶつけて下されば幸いです。

第2戦 マレーシアGP(セパン)

●ポール・ポジション … フェリペ・マッサ(フェラーリ)<通算3回目>
●優 勝 ………………… フェルナンド・アロンソ(マクラーレン)<通算16回目>

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【今回「頑張ったドライバー」】




またもルーキーらしからぬ堂々とした走りっぷりだった。予選はフェラーリの2台とチームメイトの後の4位だったが、スタートではミスで遅れたマッサとキミの前に出てみせてチームメイトの大逃げをサポートした。しかも序盤は後からしきりにつついてくるフェリペのチャージにも動ぜず、逆に自滅してしまったのは「赤いヤッターマン」の方だった。仕上げはレース中盤の22周目にマークしたファステスト・ラップツンデレのロンにしてみればもう笑いの止まらない理想的な展開だったろう。

それにしてもシーズン開幕前に彼がここまでやるとは不明にして全く思わなかった。アラン・マクニッシュ、ヤン・マグヌッセン……かつてロン・デニスが「秘蔵っ子」として育ててきたドライバーはいずれも表に出る機会を逸したのとチーム自体が低迷期にかかっていた不運もあってF1では芽が出なかった(あくまでも「F1では」だが)が、満を持して表舞台に躍り出たルイスの堂々とした戦いぶり、次の関心事は「初優勝はいつか」といったところだろうか。


ナノが加入した今年のマクラーレンは「何かが違う」…と思わせた開幕戦、やはりその印象に間違いはなかった。予選こそマッサの後塵を拝したが、彼のミスとチームメイトの絶妙なサポートにも助けられて終始レースをリード、移籍後初優勝をマークした。それにしても予選でポールを獲れなくても、赤いヤッターマンが暴れまくろうと変わらないこの安定感、まだ彼が20代の後半にやっとさしかかった年齢のドライバーとは思えないほどである。

今回は……去年もうおなじみになってしまった感のある、いつもの勝利の雄叫び「クック=ロビン音頭」は見られなかった(ちょっとだけ披露した?)ようだが、ともかく、悲願の初タイトルを目指して爆走するキミの前に立ちはだかるのはやっぱりこの人だと思う。キミよ、自分も何か「勝利の雄叫び」ポーズ開発せえ、フェリペ相手に「オレの酒が飲まれへんのかワレ」ポーズとか。


キミ・ライコネン(フェラーリ:決勝3位) 3点


2連勝して初タイトルへの驀進をアピールしたかったであろうキミだったが……今回はいつもの淡々とした表情どおりの淡々とした3日間だった……いや他のドライバーならそうでもなかったのだろうがキミが同じことをやるとそう見えてしまうのが却って凄い。去年ならファースト・スティントでスピードをアピールするも第2スティントでは「もーええわ今回は」みたいにエンジンをブローさせてしまうパターンが多々見られたが…このセパンでは「今日はもうしょうがないからとにかく最後まで走ろう」で食らいつき3位表彰台。

何をやっても「イケイケのプレゼン」に見えてしまうフェリペと、対照的に「深酒の後の起きぬけ」みたいなムッツリした顔のまま激走、表彰台でも表情の変わらないキミ…何気に今年のフェラーリの2人には楽しませてもらえるのかもしれない。


ニック・ハイドフェルト(BMW:決勝4位) 2点


2戦連続4位入賞のニック。ビーエムは前評判どおり予選・決勝ともにいいところに食い込んできている。しかも結果をきっちり残しているのはニックの方である。今回は、第1スティントでタイヤ交換の間にラップ・リーダーも経験した。昨シーズン後半は新加入のクビカの「スピードの無礼講」(昔ミハエルに付いたフルタチ語録)の前に薄幸さが強調されてしまった感があるが、今シーズンはいいリズムでスタートできた。ただそれでも「4位」というのが微妙なところではある(爆)。


フェリペ・マッサ(フェラーリ:決勝5位)  1点


この1点は、予選ポールの1点…ではあるが…あちこちのF1系ブログではおそらくもうボロカスだろうと思われる。そりゃそうだ、スタート失敗でマクラーレンの2台には先を越されるわ、ナノのサポートで踏ん張るハミルトンに何度も仕掛けた挙げ句に勢い余ってコース・アウトで順位を落とす……よりによって今年初めてF1に乗るルーキーに公衆の面前で「おちょくられた」姿をさらしてしまう形になった。

でもそれでいいのだ、それでこそ「赤いヤッターマン」なのだ。トップグループでこういう無駄に熱い兄ちゃんが一人くらいいてもいい。「クック=ロビン音頭」以外は何にも面白いことをしてくれないナノ、ルーキーなのにもう何年もF1に居るような落ち着きぶりのハミルトン、「笑ったら負けかな、と思っている」ような顔で表彰台に上がるクールなキミ…対して目、鼻、口、デコ、顔中のあらゆる部位にオレ様オーラがそこはかとなく漂うフェリペの存在は少なくとも今シーズンは「アリ」だ。

覚えておられるだろうか、昨年の鈴鹿、決勝前ダミーグリッドへと向かうマッサ君の堂々たる行進を。タイトルの懸かったエース・ミハエルを差し置いてトリで登場、「おぅ、応援頼むぜオマエら!」と言わんばかりにゆっくりとマシンを進めていたフェリペは「ライコネンのやってくる2007年のアピール方法」のシミュレーションに既に入っていたのだと思う(爆)。そして最終戦地元ブラジルで見る者の目を一瞬で釘付けにした、かつてのロータスとラルースを足して3倍したような色遣いの特注レーシングスーツも凄かった。

ミハエルのパフォーマンスと比べて、「あーマッサじゃーまだまだだね」と思われる向きは多いだろう。それは全く正しい。でも「熱く/暑くなければフェラーリのドライバーじゃない」(もちろんキミもまた「別の意味で熱い/暑い」)。



開幕戦は10位完走ながら、ミスを連発し、ボスのフラビオに名指しでこきおろされたヘイッキだったが、その後フラビオに別室へ連れ込まれてヤキを入れられたらしい。同じく今年F1デビューのハミルトンが堂々たる3位表彰台というところもヘイッキにとっては逆風だっただろう。昨年のチャンピオン・チームとしての輝きもどこへ行ったか、一転して「走らぬマシン」と化してしまったルノーと格闘し、今回のコバライネンはまたも第2ピリオドで惜しくもノック・アウトを食らってしまう(11位)。でも決勝ではトヨタのラルフやトゥルーリといった海千山千に揉まれながらも中団バトルに勝ち抜いて8位初入賞をマークした。

「いやぁほとんどが批判だったよ」とインタビューで別室での「折檻」を振り返るヘイッキだったが、おそらく「批判」などという生やさしいものではなかったはずだ(いや、そういうことにしておこう)。おそらくこれからのドライビングにヘイッキのあるいはカノジョや家族の命がかかっているに違いない。でもミハエルやフィジコ、ナノやバトンに至るまでフラビオ・コネクションに身を置いたドライバーはそうやって皆大きくなったのだ(爆)。フラビオの放った「死ぬ気弾」を脳天に食らった(リボーンかフラビオは)ヘイッキのこれからのドライビングにも注目したい。


<番外編>


*やっぱりフジの地上波の実況は前振りが長すぎる。レース実況をカットするぐらいならちいと前振りをカットしてほしい。
*どうしたホンダ、ちょっとメロメロすぎないだろうか…そんなのだからスーアグが「カスタマーカー問題」でインネン付けられるんだ。
*ウィリアムズのニコ、今回は6位スタートから……惜しくもマシントラブルでリタイヤ。わかるぞ、フラビオに目を付けられて拉致られたくはない、でも実績も挙げないとドライバーの将来もない、という「フラビオのジレンマ」(爆)。オヤジのケケがフラビオに「オレんとこのガキに手ぇ出すんじゃねえぞコラァ」と言えるかどうかがポイントかも。



【「今回頑張ったドライバー」第2戦までのランキング】
1 キミ・ライコネン(フェラーリ)……………11点
1 ルイス・ハミルトン(マクレーレン)………11点
3 フェルナンド・アロンソ(マクラーレン)……9点
4 ニック・ハイドフェルト(BMW)……………4点
5 フェリペ・マッサ(フェラーリ)………………2点
6 佐藤琢磨(スーパーアグリ)…………………1点
6 ニコ・ロズベルグ(ウィリアムズ)……………1点
6 ヘイッキ・コバライネン(ルノー)……………1点