●第27回:房総113系の併結シーン
<注:今回の記事は写真ちょっと多めです>
かつては「気動車王国」と言われ、多層建ての急行・普通列車が増解結を繰り返し、様々な形式の気動車が連なる「百鬼夜行」編成が多客時の風物詩だった房総各線が電化され(久留里線・木原線を除く)、スカ色の113系電車が集中投入されたのは1974(昭和49)年のことでした。以来三十数年間、113系電車は房総各線のローカル列車の主力として縦横無尽に駆けめぐってきました。
最初は、千葉駅で増結に備えて待機する幕張電車区101編成(4連組)のスナップから始めましょう。
写真の列車は、千葉までは両国発の「荷2331M」として運行されています。両国出発時点では、この編成の東京側にはもう一編成(4連組)が連結されていましたが、千葉到着後すぐに切り離され、「荷2332M」として東京寄りの黒砂信号所(西千葉-稲毛間)へといったん引き上げていきます。「荷物電車」ということですが、中身は各駅向けの新聞です。千葉からは、267Mとして客扱いが始まりますが、東京寄りの先頭車が「新聞専用車」として締め切りとなり、外房線の各駅に新聞が配られます。ここまでのスケジュールを下の表にまとめてみましょう。
1) 13:20 荷2331Mとして両国駅出発(4+4の8両編成)。
<それぞれの編成の東京側先頭車に新聞を搭載>
2) 13:52 千葉駅着(5番ホーム)。
3) 14:00 東京寄りの編成が切り離され、荷2332Mとして黒砂信号所へ出発(14:03着)。
4) 千葉よりの編成はそのまま待機、東京側先頭車を締め切り267Mとして客扱い開始。
<それぞれの編成の東京側先頭車に新聞を搭載>
2) 13:52 千葉駅着(5番ホーム)。
3) 14:00 東京寄りの編成が切り離され、荷2332Mとして黒砂信号所へ出発(14:03着)。
4) 千葉よりの編成はそのまま待機、東京側先頭車を締め切り267Mとして客扱い開始。
5) 併結に備えて先頭車(クハ111-236)の貫通扉を開く。
作業員さんが一人、線路上に降りてスタンバイしています。連結後の確認、ジャンパ栓の接続のためだと思われますが…。
6) 14:05 茂原13:22発の外房線270M(4連組)が千葉駅5番に到着。小刻みに停車しながら併結相手に接近。
270Mはまずホームの端で一旦停車、そしてゆっくり近づきながら併結相手の車両の約30mほど手前でまた停車……と前回記事で紹介した成田エクスプレスの併結シーンと同様に慎重に作業を進めていきます。列車併結は、本来なら列車がいて進入できないはずの閉塞区間に分け入って行く作業なので、特殊な保安システムや作業に関わる人々の密接な連携等々、「鉄っちゃん」ならずとも見応えのあるシーンです。
ちなみに、一駅東側の本千葉駅から千葉駅に接近する視点からの臨場感あふれる併結シーンが「千葉駅113系連結作業Ⅱ(車内から)」(たくやさん)で詳細にレポートされています。幌ネタからは若干外れますが…とりわけ千葉駅手前の誘導信号機や113系車内のパターン接近灯の画像など独自の視点からの貴重なレポートとなっています。
7) 併結相手の約5m手前でまた停車、貫通路を開いた後、ホーム上からの誘導でゆっくりと接近。
8) ガッチャーミー!!
9) ホーム上で待機していた作業員さんが乗り込んで、渡り板を下げ、幌を連結。
9) ホーム上で待機していた作業員さんが乗り込んで、渡り板を下げ、幌を連結。
左はクハ111-236(0番台)、右はクハ111-1602(1500番台)……前照灯とタイフォンカバーの位置が微妙にずれていて、右側の1500番台の方が若干上向きに取り付けられているのがわかるでしょうか。
10) 線路上で待機していた作業員さんが連結部分に潜り込んでジャンパ栓を接続、併結完了。
11) 14:11 267M(安房鴨川行き)千葉駅出発。
12) 14:08 君津13:17発の180Mが千葉駅4番ホームに到着、待機。
13) 14:09 黒砂信号所で待機中の編成は「荷2333M」として千葉駅へ引き返す。
14) 14:15 荷2333Mが千葉駅着、180Mと併結、187Mとなる。
15) 14:26 187M(安房鴨川行き)千葉駅出発。
13) 14:09 黒砂信号所で待機中の編成は「荷2333M」として千葉駅へ引き返す。
14) 14:15 荷2333Mが千葉駅着、180Mと併結、187Mとなる。
15) 14:26 187M(安房鴨川行き)千葉駅出発。