●福知山電車区のS・R編成の運用について

福知山電車区(前・福知山運転所電車センター)のクモハ2連編成である113系N・S編成、115系R編成の2パンタ車の前位側パンタが高々と上がる冬がまたやって来ました。

霜取り用にクモハ112の前位側に増設された前パンタは例年12月~3月の冬季限定で使用され、N編成の3800番台以外はクモハ112に幌が装着されているため、JR車両では極めて珍しい「前パン・前幌」の勇姿を拝むことができることは書庫「貫通幌のガイドライン」の各記事でこれまで何回か取りあげてきました。しかも朝夕のラッシュ時を中心にS・R編成は京都総合運転所113系C編成4連の福知山側にくっついて京都口までやって来ます。

ところが山陰本線(嵯峨野線)京都-園部間の複線化工事とも連動して、京都口の113系C編成や福知山区のN・S・R各編成の置き換えが以前から取り沙汰されており、「フチの前パン・前幌」のヘンタイ走行もいつ見られなくなるか分かりません。

ということで精力的な観測用にいくつかのwebページやフィールドワーク時のメモを参考にオリジナルの運用時刻表を作ってみました。一応エクセルで作ったのですが、画像ファイルにして「はてなフォトライフ」にアップします(計9枚)。




【参考にさせていただいたwebサイト】
●「山陰線・福知山線の113系」(ですかばりさん)
「福知山運転所183系情報局」(http://homepage3.nifty.com/hashidate-monju/index.htm)の別館。S・R編成の他、3800番台N編成の運用も掲載されています。この運用表なくしては福フチの2パンタ車のピンポイントな撮影は不可能でした。183系も含め、各編成の特徴も詳細にレポート。
こういう詳細な記録をwebにアップされ続けているサイト主さんに心から敬意を表します。あと2パン編成の運用については、ジェー・アール・アールの「普通列車編成両数表」(おおむね年2回発行)も参考になります。

●「えきから時刻表」
国内の旅客列車の各停車駅ごとの時刻をほぼ100%フォロー。主要な駅では発着番線も記載されていて、駅の対向ホーム撮りをする際には大いに参考にさせていただいています。


【注意事項】
1)収録しているのは、福知山区のS・R編成で運用される以下の各路線の列車。
山陰本線福知山-園部間の全普通列車(一部113系C編成4連あり)
山陰本線園部-京都間の快速・普通列車のうち福知山区のS・R編成で運用されるもの
山陰本線福知山-城崎温泉間の普通列車のうち福知山区のS・R編成で運用されるもの(2パンタ運用なし)
舞鶴線綾部-東舞鶴間の全普通列車(福知山発着のものはその時間も収録)
北近畿タンゴ鉄道宮福線普通列車のうち、S・R編成で運用されるもの(2パンタ運用なし)

2)2パンタ編成の運用(No41~44)には背景に色を付けている。対して50番台の運用番号は1パンタ編成。

3)この表の運用番号と実際に掲示(貫通扉上部の札差)されているものとは異なることが多い(?)。

4)1パンタ運用に2パンタ編成が充当されることもあり、その際には前位側パンタは降ろされている。

5)S・R編成は共通運用となっており、両者の運用区分はされていない。

6)<重要>1140M(福知山13:22発園部行き)については、2パンタ運用の「44番」で整理しているが、過去2回のフィールドワークではいずれも50番台の運用(1パンタ)が充てられていた。
また、同列車の折り返しと整理していた1137M(園部15:01発福知山行き)は、同じ運用で整理しているが、今年1月のフィールドワークでは1140Mと異なる編成が使用されていた(1140MはS33、1137MはS4編成)。

7)前項のように運用の一部が変更される(車両の不調等が原因?)ことも多々あるようなので、ご注意されたい。


【駅での撮影について】
福知山駅(高架上)
<ホームレイアウト>
・島式2面、単式1面の3面5線で、北側から順に1番線~5番線。
・1番線には舞鶴線と山陰線園部方面行きの列車の一部が発着し、この場合は対向ホーム撮りはできない。
<パンタ上昇度>
・ホーム間の移動はホーム下の通路なので架線位置が高く、パンタ上昇度も大きい。

※石原(いさ)駅
<ホームレイアウト>
・島式1面2線。
<パンタ上昇度>
・駅舎とホーム間は跨線橋を介しているので、架線アレンジ&パンタ上昇度は低いものと思われる。

高津駅
<ホームレイアウト>
・対向式2面2線。ホームに屋根がないので駅撮りしやすい。
<パンタ上昇度>
跨線橋がなくそれぞれのホームに直接出入りするので、架線位置が高くパンタも高々と上がっている。
<その他>
・午後の福知山発列車の偶数側(クモハ112・114の側)がド順光。
・「前パン・前幌」の勇姿を狙うならこの駅が最もオススメ。
・トイレは設置されていない。また、駅から約1km綾部よりの府道上にローソンがあって真横に線路。

綾部駅
<ホームレイアウト>
・島式1面、単式1面の2面3線。
・1番線に入線した場合は対向ホーム撮りができない。
・福知山方面行き、園部・東舞鶴方面行きの両方の列車が1番線に入線することがあるので注意。
<パンタ上昇度>
・架線の位置は割と高め(橋上駅舎だからか)なのでパンタの上がり具合も良好。

舞鶴線各駅
<ホームレイアウト>
・棒線式の1面1線タイプは淵垣駅、対向式2面2線タイプは梅迫・真倉の2駅。
<パンタ上昇度>
跨線橋のある梅迫・真倉では架線の位置が低めにアレンジされており、パンタが相当ひしゃげた状態になっている。

西舞鶴駅
<ホームレイアウト>
・島式1面、単式1面の2面3線のレイアウト。
・島式ホームが2・3番線、単式ホームが4番線で、4番線の綾部寄りを切り欠いて北近畿タンゴ鉄道宮津線が1面1線となっている。各番線とも上り・下りの双方向の列車が入線する。

東舞鶴駅(高架上)
<ホームレイアウト>
・島式ホーム1面2線。
<パンタ上昇度>
・ホームへは地上の改札口から上がっていくスタイルだが、駅全体が半透明の屋根で覆われているからなのか架線はかなり低めにアレンジされていて、パンタは極端に圧縮されている。
<その他>
・ただし舞鶴線の列車と小浜線の列車が同一ホームに並んで止まることが多いのが見所か。

※山陰線綾部-園部間の各駅
<ホームレイアウト>
・棒線状の1面1線タイプ→鍼灸大学前
・対向式2面2線タイプ→立木、安栖里、下山
・島式1面、単式1面の2面3線タイプ→和知、胡麻
・島式1面の1面2線タイプ→山家、日吉、船岡
<パンタ上昇度>
・ホーム間、あるいはホームと駅舎の移動を跨線橋で行うタイプの山家、立木、和知、下山、胡麻ではホーム間の移動は跨線橋を介して行うので架線アレンジが低く、パンタも圧縮された状態になっていると思われる(立木駅は確認済み)。
<その他>
・しかしどの駅も「山間の小駅」といったたたずまいがあり、車両だけにこだわらないのならあるいは駅間の走行写真撮りも行うなら、むしろこれらの駅がオススメ。
立木駅にはトイレが設置されていないように思ったが、wikipediaには改札内にあるとの記述。

園部駅
<ホームレイアウト>
・島式ホーム2面4線、北側から順に1~4番線。
・1番線と4番線では対向ホーム撮りができない。福知山行きの普通列車は概ね3番線からだが15:01発など1番線スタートのものもあるので注意。京都行きの普通・快速は4番線スタートが多い。
<パンタ上昇度>
・橋上駅舎なので比較的架線アレンジ&パンタ上昇度は高い。

※山陰線園部-京都間の各駅
<ホームレイアウト>
・対向式2面2線タイプ→吉富、八木(中線あり)、千代川、並河、馬堀、保津峡太秦
・島式1面、単式1面の2面3線タイプ→嵯峨嵐山
・島式1面の1面2線タイプ→花園、円町、二条、丹波口(いずれも高架駅)
・島式2面の2面4線タイプ→亀岡
<パンタ上昇度>
・未確認だがホーム間移動に跨線橋を介する保津峡以外の2面2線駅と嵯峨嵐山は架線アレンジ&パンタ上昇度は低いものと思われる。(保津峡は地下歩道を介して移動)

※京都駅
<山陰線ホームレイアウト>
・行き止まり式の櫛形ホーム、31~33番線。
・33番線発着の列車は対向ホーム撮りができない。また、31番線は特急が使用し、32番線停車中の普通・快速列車をブロックすることも多いので注意。
<パンタ上昇度>
・駅ビルの直下となっているので架線アレンジ&パンタ上昇度は低い。
<その他>
・31番線から32番線の列車を撮る場合、位置的には午後順光のはずだが33番線の向こうは壁面となっているため列車側と列車の反対側とで光線状態が極端に異なる。ISO100固定のコンデジでは昼間でもちょっと苦しいかも。


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京都駅へやって来たフチS99編成(M'c112/Mc113-5809) 2007年12月