札幌から小樽へ(車窓から見る石狩湾)~2008夏北海道(9)

【写真について】
「幌苦総合車両所・画像センター」(はてなフォトライフ)にアップした画像については、長辺120ピクセルのサムネイルを表示しています。拡大画像をご覧になる場合は、それぞれ画像タイトルをクリックして下さい。

※今回記事の画像数は5枚です。

しばらく中断していた「2008夏北海道」の記事、2日目の日帰り小樽旅行から再開しましょう。

観光旅行で来た場合の、札幌と小樽の間の移動は大きく分けて次の3ルートが考えられます。

(1) レンタカー
(2) 札樽間高速バス「おたる号」(札樽道経由:ジェイアール北海道バス・北海道中央バス共同運行)
(3) JR函館本線/快速「エアポート」・区間快速いしかりライナー」・普通列車

実際のところ、もっともポピュラーなのは(1)のレンタカーでしょうか。社員旅行とかで北海道に行った場合によく聞くのは、札幌ベースでレンタカーで旭川富良野・小樽などを周遊するというパターンで、一昨年うちの職場で北海道に行った人たちに聞いても(私は「SLやまぐち号」のコースに参加したので行かなかった)やはり小樽はレンタカーで回ったとのことでした。確かにレンタカーは自分でスケジュール管理ができるうえに重たい荷物を持って歩き回らなくてもいいので効率的なのは確かです。

あとの(2)と(3)は札幌-旭川間と並んで高速バスとJR北海道が激しい競争を繰り広げる区間で…

※高速バス(片道590円)
*1時間に6~8本、所要約55分で590円
※JR函館本線(片道620円)
*快速「エアポート」(所要最速32分)・区間快速いしかりライナー」(所要39分)1時間にそれぞれ2本
*普通列車(各駅停車・所要51分)1時間に1本(所要51分)

……と時間・料金・本数の上でも高速バスとJRはほぼ互角といえるでしょう。ちなみに、JR・高速バス共に往復の割引乗車券に北海道中央バス小樽市内1日乗車券がセットになった切符が発売されています。


便利で効率的なのはレンタカー、そして鉄ヲタにバスマニアンも兼業している私としては高速バスも大いに心が動かされるところですが、風光明媚な車窓を楽しむのであれば断然(3)のJRがオススメです小樽市内に入った直後の3駅間、銭函-朝里-小樽築港の区間は、石狩湾沿いの海岸線に沿って…というよりまさに崖に張り付くようにレールが敷かれており、一面に海が広がるJR北海道屈指の車窓が堪能できます。札樽道の高架道路からの風景も悪くないのかもしれませんが、鉄道マニアとしてはここはやっぱりJRからの車窓をスナップしておかなければなりません(?)。


イメージ 1 イメージ 2


上の2枚は、札幌から小樽へ向かったときのスナップで、快速「エアポート83号」(札幌9:13発・721系電車)のボックスシートから撮ったもの。

実は銭函と朝里の間には、臨時駅の張碓駅(Wikipedia)があり、実質的には1998(H10)年からは営業休止の状態にありましたが、2006(H18)年に正式廃止となり、その年の夏に撤去工事が始まるまでは駅舎と駅名標が残っていました。張碓駅に鉄道以外の方法でたどり着くには、朝里方面からゲートロックされた私有地を抜けて、海づたいに危険な道路を通るか、国道5号線から切り立った崖を降りる(以前は獣道のような人道があったようですが、現在は完全に自然に還ってわからなくなっている)か、いずれにしてもまともな方法では行くことができなかったため、その筋の人々には「究極の秘境駅」として名高い存在だったようです。

今では朽ち果てた駅舎や駅名標だけでなく、ホームも解体されてしまっているようですが、それでも駅跡はそれと解るたたずまいだけは残っているとのことなので(上下線が若干広がっているなど)、写真は撮れないまでも、せめてその痕跡だけでも確認しておきたいと思っていました……が、前日は夜11時ごろまで札幌駅で写真を撮っていたのと、朝は朝で5時半に起きてまたも札幌駅へ写真を撮りに行ったこともあって完全に寝不足でした。快速「エアポート」に乗ってからも何とか寝ないように頑張ってみたのですが、いつの間にか完全に「落ちて」しまい、気が付くともう張碓駅跡は通り過ぎて、朝里側の張碓トンネルの闇の中でした。上のスナップ2枚は、トンネルを出て朝里駅までの間に何とか撮ったものです。



イメージ 3 イメージ 4 イメージ 5


次の3枚のスナップは、最初の2枚とは逆に、小樽から札幌へ戻るときに撮ったもの。

早めの夕食を取って(後で別記事を予定しています)小樽駅へ戻ったのは、日没直後でまだ周囲も明るい午後7時前でした。この日は北海道中央バス小樽市内1日乗車券を買っていたので、もう一度循環バスで市内をひととおり回っておくか、せっかくなので天狗山にロープウェイで登って夜景を楽しむ(山麓まではバスで行ける)か、いろいろと選択肢があったのですが、下のムスメ曰く「札幌に早く戻って27時間テレビを見たい」とのこと。

せっかく北海道に来てまで東京のネットキー局のテレビもないだろうと思ったのですが、「まぁ今日は1日あちこち歩き回ったからもうこれでいいか」ということになり(実は後からブツブツ言われるのがめんどくさかったので)、このまま札幌に引き上げることにしました。

ということで乗ったのが「写真129」にあるとおり、区間快速いしかりライナー」3459M(731系電車・19:08発)。こちらは行きに乗った快速「エアポート」の721系電車のクロスシートとは全く逆でオールロングシートだったので、石狩湾の景色を楽しもうとか全く考えていなかったのですが、小樽築港駅を出発して石狩湾の海沿いの区間へ入った瞬間、思わず息を飲む光景が目に飛び込んで来ました。

「へぇー、こんな色の”夕焼け”があるんやなぁ」

沈む夕陽の余韻に照らされた石狩湾、それも通常イメージされるオレンジにパープルが混じり合った少し不思議な色あい。もう少し時間帯が早ければ、石狩湾の夕陽はもっとオレンジの強い色合いだったと思われ、またもう少し時間帯が後なら、車内の蛍光灯が窓ガラスにしっかりと映り込んでしまう(この写真もよく見ればかすかに映っていますが)ので、この3459M電車で見たタイミングは絶妙だったということになるのかもしれません。


今回は、風景スナップに合いそうな(?)推奨BGMとして、YouTubeへのリンクを貼ってみました。今回取り上げた画像5枚をブラウザや画像ビューアーなどで立ち上げておいて、適宜音楽に合わせて画面を切り替えてご覧いただければと思います。

次回は、小樽市内の観光前に立ち寄った「朝里海水浴場」のスナップをご紹介する予定にしています。