▲中嶋、心のクラッチはまだつながっているでしょう。

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(写真:さるお方からお借りしています。88年日本GP、中嶋悟ロータス・ホンダ)

タイトルになっているこのフレーズは、1989年日本GP、かの「F1遣唐使中嶋悟氏が終盤リタイヤした際に、フルタチ氏がスッと挟み込んだ一言です。このレースの中嶋さん、順位は中団あたりでしたが、走らんキャメル・ロータスを振り回してS字でマーティン・ブランドルをぶち抜いたり、マウリシオ・グージェルミンとも空中戦やったりと結構いいレースしてたような印象があったので余計に終盤のリタイヤが惜しまれた一戦でした。

それはさておき(おいおい)、これ聞いた瞬間、ちょっと大げさですが正直ぶっどびました。
「心のクラッチ」ですか・・・ちょっと普通では出てこない名(迷?)文句。
それからです、時たまF1中継を見るだけだったのが毎回欠かさず見るようになり、さらにはF1以外にもWRC世界ラリー選手権)とかモータースポーツ全般にも興味を持ち始めるようになったのは。そういう意味では、個人的には私に新たな関心分野を開いてくれた一言といってもいいかもしれません。

フルタチ氏のF1実況は1989年開幕戦から1994年日本GPまでの6シーズン。全体の評価としては「賛否両論」といったところでしょうか。「もう一度フルタチ実況聞きたいなぁ」というファンもいる一方で、「古館はどうしても好きになれん」というファンも多いことと思います。ただ、昔阪神にいたマット・キーオ投手をネタにして「完投勝利待っときーお」なんてアホなこと言って喜んでた私にとって、フルタチ実況は今なお壮大なる「ネタの宝庫」です。

それから、一つだけ氏の実況の「面白かった」点を挙げるとすれば、トップ・ドライバーはもちろんのこと、下位や予選落ちすれすれのマイナーな(日本人ファンにとってはかもしれませんが)ドライバー、チーム監督やオーナー、スポンサーに至るまで彼なりに「キャラを明確に立てていた」ことだと思います。正直単なる思いこみの部分や表面的な印象に過ぎないところも多々あったでしょうが・・・それはそれで、F1を知る上での一つの「たたき台」にはなっていたのかな、とも思います。

何年か前に、自分でビデオテープを編集して、フルタチ実況の「名場面集」を作ってみたことがありました。テープをフルに使い切って約6時間。中嶋氏や鈴木亜久里氏が出ていた当時のCMも入れたりして、我ながらヒマな奴です(笑)。で、見返してみたら、何故か妙に笑える。前後の文脈を無視してそのフレーズだけ取り出したのが多いから余計にフレーズのおかしさが良きにつけ悪しきに付け浮き彫りになってしまったのかもしれません。フルタチ氏自身も何かの番組の中で「そこだけ聞いてみたら・・・何かオレすごいバカみたいですね(苦笑)」と言ってました。

そこで、今思いついた・・・というより以前からずっと暖めていたのですが(んなもん暖めるな)、解説付きのフルタチ語録コンプリート・・・ってそこまでは無理かもしれません。以前は古館語録をまとめたページがあったはずなのですが・・・でもって「これはオレしらんかった」「でもこれは載ってないな」とか一人で勝手に盛り上がってたのですが・・・どうやら今は移転したか閉鎖したかで見あたらないようです。

次からは、「アイルトン・セナ:音速の貴公子」を皮切りに、ぼちぼちと、フルタチ語録の数々を振り返ってみましょう・・・。