▲「F1四谷怪談の仕掛け人」アラン・プロスト(2)


1990年、マクラーレンからフェラーリに移籍したプロフェッサー。
この年は最終的にはセナに王座を明け渡したものの、年間5勝をマークし、フェラーリ復活を印象
づけた・・・。

では、アラン・プロスト、続きです。


(28) F1四谷怪談仕掛人

フェラーリ2年目の1991年シーズンは、前年とは一転し、マシン開発が進まない中、マクラーレンアイルトン・セナに全く歯が立たない苦しいシーズンでした。その中でプロストはチームとの対立を深めていき、ついにはこのシーズン限りでフェラーリから放出されることとなってしまいました。しかし、すでにトップチームは翌年に向けた体制を固めており、結果的にプロストは「浪人生活」を余儀なくされることになります。ただ、そういう状況の中でも、プロストフェラーリから多額の違約金をもぎ取り、さらにはプロスト獲得に動いたリジェはシーズン序盤までドライバーの体制が固まらないなど、シーズンオフはプロストの去就を巡って大いに揺れました・・・と書けば長ったらしいですが、以上の長文を一言でまとめたのがこのフレーズです。

(29) 氷の微笑、微笑み黒魔術

氷の微笑」・・・シャロン・ストーン主演でしたっけ。自己主張のあまりチームと軋轢を起こし、裏で権謀術数の限りを尽くすプロストはチームにとっては確かに「悪魔」に見えるかも(笑)。89年でしたか、ロン・デニスとにこやかに談笑しているシーンを披露しておいて、その翌日に「マクラーレン・ホンダ離脱」の記者会見でしたから・・・。

(30) 何しろプロストのシフトレバーはアイスピックで出来てますから

何か「キタ--------!!」って感じのフレーズですね(笑)。

(31) 今世紀最大の人事異動と言われたアラン・プロストフェラーリ行き

90年開幕戦のチーム・ドライバー紹介の時のフレーズ。また「・・・と言われた」シリーズですか。だからそれ言うてんのはあんただけやって(笑)。

(32) フェラーリの人事部長

冒頭でも触れましたが、フェラーリ内紛の中で、監督チェザーレ・フィオリオ解任の裏には・・・プロストの暗躍が噂され、彼はフィアット・グループ会長のジャンニ・アニエッリへフィオリオを解任するよう直訴した、と言われています。でも後にプロストとフィオリオは「結局マンセルが悪かったんだよね」とかいって仲直りしたそうですから、世の中はいい加減なもんです(笑)。

(33) 真っ赤なけだものとも言うべきプロストフェラーリ

1991年のシーズンオフだったか、時期は失念しましたが、これまでの古館実況を自ら振り返る「古館伊知郎のF1世界旅行」という特番がありました。その時、90年のフランスGP回想シーンでのフレーズ。タイヤ無交換作戦で首位に躍り出て大逃げを打つレイトンハウスのイワン・カペリにプロストが徐々に差を詰めていく様を表しています。
もう誰もがカペリの初優勝を確信しはじめた残り4周・・・プロストシーニュ・カーブで乾坤一擲の大外刈りを決め、優勝をもぎ取りました。えげつないといえばそうかもしれませんが・・・でもカッコよかったなぁ・・・。

(34) 毒舌フルオートマ

(35) 走る時事放談

何か意味不明ですが・・・(34)(35)とも素直に笑えます。確かにプロスト、悪口言い出したら止まらん、というイメージがありましたねぇ・・・実はセナも案外そうだったりするんですが。

(36) ムッシュドラキュラ

ドラキュラ・・・ってドイツ語圏の妖怪じゃなかったですか? まぁ「プロスト」自体ドイツ語で「乾杯」という意味だそうですが(笑)。ムッシュとドラキュラというアンマッチがかえって面白かったりして。

(37) 無敵ウィリアムズの盲腸

1993年シーズン、プロストは1年間の浪人生活の甲斐あってか、セナ、92年チャンピオンのマンセルといったライバルを押しのけて、最強ウィリアムズ・ルノーのシートを射止めます。セナの乗るマクラーレンはホンダを失い、マンセルはアメリカのインディカーシリーズに転じていったとなれば・・・プロスト一人勝ちのはずでした。が、いざシーズンが始まってみると、序盤でセナに連勝を許したり、モナコでもフライングを取られた挙げ句にペナルティのピットストップでエンジンをストールさせたり・・・と意外ともたつきました。まぁ、結果的にはプロストは4回目のワールド・チャンピオンのタイトルを取るのですが。一説にはリアクティブ・サスペンションのそれこそ「セッティングのパラメータ」の最適値を求めるのに手間取った・・・平たく言えば「慣れるのに時間がかかった」ということですね(笑)。

(38) 勝ちゃあいいんだろ走法

まぁ93年は「プロスト勝って当たり前」の雰囲気の中で序盤でもたついたものですから、まぁいろいろ批判というか雑音というか、出てくるのも致し方ないわけで・・・。中盤以降連勝街道をひた走るわけですが、どうしても何となくやさぐれた感じで語られてしまうわけです。

(39) 鼻曲がりのダンディ

(40) 鼻筋エアロダイナミクス

サッカー少年だったプロストは、鼻を骨折したことがあるらしく、実際に鼻骨が湾曲しているそうな・・・で、「アラン・プロスト、鼻曲がりのダンディ、右に曲がっています!」。また、その独特の形状をした鼻を指して(40)のフレーズ。確かこのころの話題の映画で「右曲がりのダンディ」というのがありました。ということは、プーちゃんのナニは・・・もーええって。

(41) 白馬座のトナカイ

(42) 顔面フロントノーズ

要は「味のある顔」、ということで(笑)。

(43) スピードの晩餐会

プロストが中盤以降徐々に前に出てくる様を表したフレーズ。「まさにパトレーゼを料理せんとするところ・・・そして前菜からデザートに至るまで、まさにスピードの晩餐会を展開するのか」。

(44) クルマに優しいヌーベル・キュイジーヌ走法

(45) じっくり煮込んだフォンドボー

(46) サーキットの四つ星レストラン

えー・・・決してツッコミを入れてはいけません。そういうもんだ、と思っておきましょう(笑)。要は老練なドライビングをする優れたドライバー、ということで・・・。

(47) 走りっぷりは熟し切った果実

(48) テクニシャンは大人の香り

(47)と(48)、同じ意味なんでしょうが・・・(48)の「テクニシャン」がちょっとヤラシいですね(笑)。

(49) サーキットの頭寒足熱

レース運びは冷静かつクール、それでいてここぞという時のドライビングはアグレッシブ・・・いや、サーキット外でも言動がアグレッシブだったりしましたが。

(50) 海千山千

(51) 一騎当千のツワモノ

何かイイですね・・・(51)は。要は(1)~(50)を一言でまとめると、(51)になると。
「51」だから、これで「上がり」・・・いやもう少しおつきあい下さい。

(52) 人間ブラックボックス

これには2つの意味があると思われます・・・①レースの経験・データがびっしり詰め込まれている。②他の人にはその中身がうかがい知れない・・・何考えてるかわからん。しかしすごい言われようですね。

(53) プロストがピッタリと着いた、プロストがピッタリと着いた!どさくさから、どさくさから!その辺は実にウマい!その辺は実にウマい!!!

91年開幕戦で、終盤僚友アレジとピケのコーナーでの先陣争いに後ろから割って入り、2台まとめてすぱっと抜き去っていくという、まさにプロストらしいオーバーテイク。それにしても「どさくさ」とは(笑)。

他にもプロストはいろいろむちゃくちゃ言われてたような気がしますが・・・(おいおい)。私が実際聞いたことがあるように思えるのは、これくらいかなぁ・・・。フルタチさんは「セナファン」として知られていましたが、実はプロストのことも決して嫌いじゃなかった、と思うのは私だけでしょうか?

次は、アレックス・カフィです。
今の20~30才台前半の若いファン諸氏はご存じでしょうか?