△F1界のおりも政夫 今宮純

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いかにも慶応ボーイらしい風貌と、ソフトでいて情熱的な語り口でフジテレビF1実況中継の「顔」
だった今宮純氏。現在はCSのF1中継の解説者を務めている・・・。

古館氏のフレーズはドライバーだけでなく、チームの関係者や「仕事仲間」の解説陣のものもあったりします。まずは、名コンビを組んだ、今宮純氏からいってみましょう。


(1) F1界のおりも政夫

そういわれてみれば似てますね・・・といっても、「おりも政夫」が何者か・・・知っている人は少ないのかもしれません。「フォーリーブス」というジャニーズ系のグループ・・・知ってます?

(2) コメンタリーブースのパトレーゼ

1990年F1日本グランプリ「前夜祭」の冒頭で、フルタチさんが今宮さんを紹介するときに使ったフレーズ。「1987年のフジテレビF1実況中継開始以来、無遅刻・無欠勤、まさにコメンタリーブースのパトレーゼと言われております・・・」ってまた「言われている」シリーズですか(笑)。


・・・で今宮さんは終わりですが、今回は、フルタチさんを時にはフォローし、時には軽くたしなめたり(笑)、またある時は絶妙のタイミングで合いの手を入れていた今宮さんの名語録集もやってみましょう。


番外編:今宮語録

(1) プロストが奪ったーーー!!

1989年日本GPスタート時に・・・2位のアラン・プロストが絶妙なスタートを決め、ポールの宿敵にしてチームメイトのセナをパスして1コーナーに飛び込んだ瞬間、「プロストが××××・・・・」と興奮するフルタチさんの後ろで同じように絶叫していた今宮さんのフレーズ。

(2) やったアレジー!!

1990年の開幕戦アメリカGP、当時ティレルジャン・アレジは非力なカスタマーズ・スペックのフォードDFR・V8ながら絶妙のスタートで飛び出し、ポールのゲルハルト・ベルガーをぶち抜いて1コーナーに飛び込んだ瞬間のイマミヤ絶叫。それを深夜に見てた私も思わずよっしゃーー!!と拳を突き出した記憶があります(笑)。そりゃそうですよ、いくら予選上位(4位だったかな?)とはいえ、いきなり1コーナーでアレジがトップに出るなんて、誰も思ってなかったもの。

(3) 二台ともーーー!!

同じく1990年の日本GPスタート時・・・またしても2位プロストがスタートをキメてポールのセナをパス。しかしプロストが少しインを開けたその時・・・セナが猛然と突っ込んで両者リングアウト・・・そしてリタイヤ。その時のフルタチさんの「い、き、な、り、接触ぅーーーーーーーーーーーーーーーー!!!」という絶叫は隣町の四日市まで聞こえたといわれています(大嘘)。で、フルタチさんが続けて「真っ白な砂煙・・・」と叫んだ瞬間、今宮さんの「二台ともーーー」。これ合いの手なんでしょうか? それともツッコミ?

(4) 一年が、終わったのです。

1991年日本GP、セナの絶妙なブロック・ワークにしびれを切らせたナイジェル・マンセル・・・セナにノーズを近づけすぎてマシンのコントロールを失い、1コーナーでコースアウト、そのままサンドトラップから抜け出せずにリタイヤでした。
フルタチさん「マンセル、ここでレースおわりーーーー!!」と、その直後今宮さん「一年が、終わったのです」。そう、ここでマンセルがリタイヤした瞬間、セナの2年連続3回目のチャンピオン決定、マンセルは3度チャンスを逃す結果になったのですから。

(5) 本当に・・・感動的だったと思いますッ!!

同じ年の日本GP表彰式で、感極まった今宮さんが涙声で・・・。でもなぁ、アレ見て感動したのは・・・セナの熱狂的なファンくらいでしょ? というのも、マンセルがリタイヤするまでベルガーに大逃げ打たせといて、その後はタイヤすり減らしたベルガーをセナがパスしてトップに立ち・・・そのままゴールするか、と思ったら・・・。セナさん、最終ラップは大幅にペースダウンしてベーやんを待ち、最終コーナーでいかにも「くれてやる」ように優勝譲ってしまうんだから・・・。その瞬間、セナの悪魔のささやきが聞こえたように思えたのは気のせいでしょうか。「キミはもうボクの奴隷になったんだよ・・・ナンバー2という名のね」・・・(笑)。

(6) こんなゆっくり走るシューマッハ、見たことない。

ミハエル・シューマッハがF1初優勝を飾った1992年ベルギーGPでのファイナル・ラップ最終コーナーでのフレーズ。そりゃあ・・・ゆっくり走るでしょ、だってバスストップ・シケインだもの(笑)。

(7) パトレーゼ

・・・・ってこれのどこが「名(迷)言」やねん・・・、そのまんまでしょ、と思われるでしょうがさにあらず。普通「パトレーゼ」と言うとき、「レ」にアクセントを置きませんか??? 現にフルタチさんもそうやって発音してるし、関西人の私だから、というわけではないようです。でも今宮さんは「パ」にアクセントを置いて「パトレーゼ」と呼ぶわけです。もっと面白い(?)のはいつもアタマにアクセントを置くわけじゃなくて2~3回に1回ぐらい・・・というところ。アタマにアクセントは、英語風の発音なんでしょうか・・・。それから、「仲よしこよしのブーツェン・パトレーゼじゃあだめなんですね・・・」とか言ってたこともあったなぁ・・・「仲よしこよし」って(笑)。

(8) それでも、F1GPは続いていくのです。

1994年、サンマリノGP・・・・・・。アイルトン・セナが34歳でこの世を去った、あの一戦です。フジテレビの実況は予定どおり始まったのですが、実況の三宅アナ、今宮さん、川井さんがピットウォールに並び、悲痛な声でセナの訃報を伝えていました。みんな涙をこらえながら、それでも懸命に放送を続け・・・最後に今宮さんが絞り出すように、こちら側というより自らに言い聞かせるように「それでも、F1GPは続いていくのです」と・・・。まさに今宮さんの「絶唱」でした。