◆Vol18:神戸空港開港2006年2月

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直進方向がポートライナー神戸空港への延伸区間 市民広場 2005年8月


神戸空港、本当に出来てしまいましたね・・・いやはや。住民投票誓願署名で盛り上がったのは今から約8年前、1998年の夏でした。「こんな近くに3つも空港があってどないすんねん」とか「ここからどこに飛行機トバすねん、但馬空港か(爆)」とかいう「雑音」も何のその、「神戸100年の計」の思いを込めて、とにかく現物が出来てしまいました。

いきなり話が逸れますが、但馬空港、そりゃもうなかなかの代物です。一度機会があって10年ほど前に見学に行ったことがありますが、伊丹からの朝夕1日2便。この時、夕方の便がやってくるシーンを見たわけですが・・・プロペラ機から降りてきた人々を見ると・・・揃いもそろってスーツの襟に何かバッジが光ってました・・・あんたらみんな県庁と地元の役場の職員やろ、って感じでした。しょうがないので(?)売店でいまは亡き「ラウダ航空」のキーホルダーを買ってしまったのを覚えています。っていうか、何でそんなモノを売っていたのでしょうか。

実はヨメの実家がポーアイにあって、2月16日の開港に先立つ2月2日にポートライナーは空港島への延伸部分が開業したとかで、ヨメのお母さんからはポートライナーは毎日空港見学の人々で一杯ですよ・・・」と聞いていました。とりたてて私は「空港絶対反対派」というわけではなかったのですが、「神戸市はもう一度空港建設の意義を市民にわかりやすく説明するべき」とは思っていたので、例の署名にはサインしていました。署名は地方自治法の法定数を大幅に上回り、市へ提出されましたが、市議会では「住民投票はやらない」(正確に言えば「神戸空港の建設にかかる住民投票条例」制定否決の議決)という結果に終わり、空港建設が進められていったわけです。そういうこともあって、「ふーん、そうですかそりゃすごいですねぇ・・・」とか正直言って斜に構えていました。

ただ、空港開港に前後して、つばごんぱぱさんのレポート「神戸空港開港記念式典」「神戸空港開港」を見るに及んで、「とにかくオレも一回見に行ってみるか」と。ある時出張先でもらった「神戸空港マリンエア」のリーフレットを見ると、東京へ1日11往復、その他札幌3往復、仙台と新潟に各2往復、熊本1往復、そして鹿児島と那覇に各4往復・・・結構飛んでるではないですか。将来的には国際便や貨物も狙っていきたいところなんでしょうが・・・。それと、つばごんぱぱさんのレポートによれば、結構お店の数も多そう・・・。仕事の帰りにでも寄って、お茶でも飲んで帰ってこようか、それから「鉄道オタク的には」ポートライナーの延伸部分の試乗も兼ねて・・・というノリで出掛けることにしました。



件のリーフレットによると、ポートライナーの延伸に伴う新型車両の写真が小さく載っていましたが、実際に行ってみると、見かけたのは1981(昭和56)年の開業時に作られた車両ばかりで、1度だけ新型と思しき車両のシルエットが見えましたが、なにぶん夜のことなので、十分確認はできませんでした。三宮で満員だった車内は、市民広場前で約半数が降り、ここからは延伸区間になります。私の漠然としたイメージでは、延伸区間はすぐ空港島への橋に・・・と思っていましたが、実際は次の先端医療センターを出ると線路は大きく左にカーブしてポートアイランド南、それからまた右へカーブしてようやく空港島へのスカイブリッジを渡り始めます。約1.2kmの橋を渡り終えると、もう一度右へ曲がり、神戸空港駅に到着です。三宮からここまで約18分。延伸区間は、従来区間と比べて駅間が若干長い印象がありましたが、今後は途中に駅が出来たりすることもあるかもしれません・・・。


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ポートライナーの従来車両・8000系 2003年9月 車両工場公開

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神戸空港駅 2006年2月20日


ポートライナーの改札を出ると、空港ターミナルの2F出発ロビーへは短い渡り廊下でつながっています。まぁ、空港としては小さい部類に入りますから、全体的にこぢんまりとした・・・平たく言えば「ショボイ」という先入観は確かにありましたが、つばごんぱぱさんのレポートにもあったとおり、確かに意外と店舗の数は多い感じです。ロビーに入ると、案の定私と同じように見学に来たらしき若い男性がデジカメでロビーの全景を撮っていました。まぁ、誰しも考えることは同じですね(笑)。中は搭乗客以外に見学客もかなり含まれているのでしょうが、平日の夜にしてはそこそこにぎわっている、といったところでしょうか。

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空港に着いたのは夜の7時ごろ、ちょうど羽田からのスカイマーク便が到着したところでした。展望デッキの見学客は、カプールあり、家族連れあり、それから若い男女のグループあり、ざっと見渡した限りでは私のように一人で見に来た「同業者」は居なさそうな感じでした(苦笑)。私は4階の展望デッキから、オレンジの光の中で次の離陸準備をしているスカイマーク機をじっと眺めながら、クルマオタクらしく「ここでF1とかラリーカーのデモ走行のイベントでもやったらおもしろそうやなぁ・・・」などと相変わらず訳のわからん妄想にふけっておりました。


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19:00着スカイマーク B737-500?

(機材について、詳しくわかる方がおられましたらご教示願います)



【外部リンク】
●Yahoo!ニュース -神戸空港開港 神戸空港開港に関するYahoo!の関連ニュース、各新聞のwebニュースや関連サイトのリンク集です。

中でも「探る 競う -2・16 神戸空港開港」(神戸新聞連載)は読み応えがありました。その中でも触れられている現時点での神戸空港の課題・・・いずれもが8年前にも課題として挙げられていたトピックでした。とりわけ神戸市民としてちょっと胸に刺さったのは、次のフレーズでしょうか。

*旅行社が発売した沖縄発の二泊三日ツアー。開港日の午後、神戸に到着。夜景を眺めて初日は市内で一泊する。しかし翌朝から姫路、岡山、四国へと足を延ばし、香川県で宿泊。再び神戸入りするのは帰途に就く直前だ。このツアーの担当者は「異国情緒やおしゃれといったイメージだけでは旅は持たない」と言い切る。
*九州のある旅行社は、開港時の神戸商品を断念した。「京都なら『古都の桜』だけで春の一定期間はツアー商品が売れる。それに匹敵するものが神戸にありますか」。企画担当者の指摘は、空港と観光客増が容易には結びつかないことを物語る。

それから、「鉄道オタク」としては新幹線との競合関係も気になるところです。地下鉄沿線住民としては東京へ出張や旅行に行くのは当面新幹線が便利だとは思いますが、航空会社の価格設定次第では飛行機への大きなシフトもあり得るでしょう。またこれまで散々言われてきた「伊丹・関空との役割分担」はそれぞれの思惑が微妙にずれたまま神戸に空港が出来てしまいました。「神戸空港の開港」が、既存のパイを奪い合うモメントになるのではなく、新たな需要を産み出し、競合する者同士がともにレベルアップしていくきっかけになればいいな、と切に願いたいところです。