△F1お祭り男:ガブリエーレ・タルクィーニ
さて、今回の「古館語録」は「B級F1ドライバーのご本尊」(笑)、ガブリエーレ・タルクィーニです。1984年にイタリアF3タイトルを獲ったタルクィーニは、87年にオゼッラからF1デビュー。以降コローニ、AGS、フォンドメタル・・・とまぁ絵に描いたような「弱小チーム」を渡り歩きました。でもその中での「タイガー」ぶりは際立っていて、89年メキシコGPでは、予備予選から勝ち上がっていって、AGSを6位でフィニッシュさせるというパフォーマンスを見せました・・・。いいマシンに乗せてみたいね・・・と言われつつ、結局はこの1ポイントだけでF1を去ることになったのは残念でした・・・。
(1) F1お祭り男
もうそのまんまと言う感じ(笑)。F1ドライバーのサッカー大会やスキー大会、そういったアトラクションのイベントにタルクィーニはマメに顔を出しては大いにはしゃいでいたとか。そういえばこの人どっちかと言えば「イジられ役」だったような気がします・・・1990年フジTVのF1総集編の冒頭で、シーズン開幕前のドライバー体重測定のシーンがありましたが、体重計に乗ったタルクィーニにイタズラしてたのは・・・そうですネルソン・ピケでした(笑)。(2) F1界の松山千春
これももうそのまんまです(笑)。説明不要。「ポイントもろくに上げてないうちから髪の毛薄くなって(笑)」などとあけすけなことを「別冊宝島」で言われてましたが、多分それは「愛」から出た言葉ではないかと・・・ホンマかいな。(3) スパイダーマンが好きで、ヘルメットのカラーリングにしてしまうあたりがいかにもF1ドライバーらしいところ
タルクィーニといえば、何と言っても有名なのが「クモの巣ヘルメット」。これは91年のフランスGPでタルクィーニがリタイヤした時のフレーズなんですが、フルタチさんが↑のように言った言葉を受けて、間髪入れずに今宮さん「お茶目ですね」と合いの手が入ったところは・・・いや、あんたらも十分お茶目(笑)。1992年限りでF1を去った(95年にティレルから右京の代役でスポット参戦が1戦あり)タルクィーニは、ツーリングカーレースに転向するわけですが・・・そこでようやく陽の目を見ることになります。1994年はアルファロメオ155を駆って激戦区のBTCC(英国ツーリングカー選手権)を制し、その後プロドライブ製のホンダ・アコードでイギリスやドイツのツーリングカー選手権を戦った後再びアルファロメオからFIA-ETCC(ヨーロッパツーリングカー選手権)に参戦、2003年には念願のチャンピオンに輝きました。
確かにF1はモータースポーツの「最高峰」ですが、何もF1だけがモータースポーツ、というわけではなく、ドライビングが心底好きで、そのテクニックを活かせるフィールドさえ与えられれば、ドライバーはどのカテゴリーでも輝きを放つものだ・・・ということをタルクィーニ選手のケースは教えてくれます。1962年生まれの彼はもう40代半ば、それでもまだまだ「ツーリングカーマスター」としての活躍が見られそうです。でも、一線級のF1マシンを操る彼の姿を一度でいいから見てみたかったですね・・・。
次回はドイツ・メルセデス若手ドライバー育成プログラムからF1にステップ・アップした、カール・ベンドリンガーの予定です。
attached(3)?マークのAGS