●第7回:幌関係部品の名称(二枚幌)

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今回のテキスト 台湾鉄路管理局 35DR2303気動車


5月の「ホロフェティストの部屋」、今回は幌に関する各部分の名称と用途のお話、まずは2枚幌タイプで見てみましょう。

[1]「幌座」(ほろざ)
「幌取り付けに係る台座」ということですね。この部分を「幌枠」と呼んでいる記述を散見しますが・・・「幌枠」とは別の部分のパーツですので、正しくは「幌座」でしょう。
[2]「幌布」(ほろぬの)
幌のいわば本体に当たる部分。ポピュラーなのは防水処理した布。過去記事でも触れましたが、ここがゴムチューブだったり一体型のダイヤフラムだったりします。
[3]「幌骨」(ほろぼね)
幌布に多数縫い込まれている金属製の枠型。ジャバラタイプの幌では幌のいわば心臓部分といえるでしょう。もちろんゴム製の幌の場合はこういうのはありません。
[4]「幌吊」(ほろつり)
2枚幌の場合は、役割が2つあります。写真ではバネタイプですが、油圧ダンパー式のものもあります。
(1)連結時の幌の垂下を防ぐ。
(2)収納時に幌を保持しておく。
[5]「幌枠」(ほろわく)
幌先端部分に取り付けられている金属製の枠。緩衝装置(バッファ)も兼ねていると考えられます。連結時には、幌枠同士を接着させて固定します(2枚幌の場合)。ゴムチューブ式の場合はチューブ自体が幌本体と幌枠を兼ねているので幌枠はありません。ダイヤフラムタイプも幌枠なしが原則と思われますが、旧英国国鉄の車両には幌枠が付いています。
[6]「取り付け金具」
幌と幌座、または幌枠同士を固定し、くっつけるための金具。「クランプ」と呼ばれることも。レバー状の金具本体にU字型の溝のようなものが付いていて、その溝でパーツを挟み込んで固定します。
[7]「桟板」(さじきいた)
「踏み板」とも。貫通路を形成する際に使用する板。これがないと車輌の間を通れません。貫通扉の下端に取り付けられていて、不使用時には上へ跳ね上げられていたりします。
【06.11.09訂正】
「桟板」の読みは「せんばん」ではなく「さじきいた」でした…すみません(汗)。あと「渡り板」という言い方もあるようです。



では、改めて台鉄35DR2303をご紹介します。なお、撮影時期は1998年1月、場所は台北郊外の平渓線の終点・菁桐(チントン)駅。

このDR2300形は台湾鉄路管理局のローカル線の主力として活躍していたディーゼルカーで、ほぼ同型式のものにDR2100、DR2200、DR2400の各形式があり、略歴としては以下のとおりになります。

*1935年 ガソリンカーとして新製(日本車両製)、車体はJNRキハ07系に似たもの
*1955年 200psディーゼルエンジンに換装(台北機廠)
       その後、車体を(JNRキハ17系+20系)/2的なものに換装(唐榮工廠)
*1998年 DRC1000形の登場により運用から撤退、廃車


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こちらは2nd End 運転席の反対側はトイレ

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こちらが1st End


台湾の「鉄路迷」(鉄道ファン)は、これらのDR2100~2400のディーゼルカー「藍色寶寶」(青色ベイビー)というニックネームで呼んでいたそうですが、皆さんなら・・・どういうニックネームを付けますか?