●第8回:幌関係部品の名称(2)(一枚幌)

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今回のテキスト JR西日本 クモハ112-5303


5月2回目の「ホロフェティストの部屋」、今回は幌に関する各部分の名称と用途のお話、1枚幌タイプで見てみましょう。2枚幌タイプと重複する部分が多いので、手短にいきましょう。

[1]「幌座」(ほろざ)
「幌取り付けに係る台座」。
[2]「幌布」(ほろぬの)
幌のいわば本体に当たる部分。
[3]「幌骨」(ほろぼね)
幌布に多数縫い込まれている金属製の枠型。
[4]「幌吊」(ほろつり)
収納時の幌保持のために、1枚幌にも「幌吊」があります。JRでポピュラーなタイプは、幌座と幌枠の上辺にある「輪」と「突起」をはめ込んで固定するようになっています。また、連結時に幌枠と幌座を固定する役割もあると考えられます。
[5]「幌枠」(ほろわく)
幌先端部分に取り付けられている金属製の枠。緩衝装置(バッファ)も兼ねていると考えられます。
[6]「取り付け金具」
幌と幌座、または幌枠同士を固定し、くっつけるための金具。「クランプ」と呼ばれることも。
[7]「桟板」(さじきいた)
「踏み板」とも。貫通路を形成する際に使用する板。

【06.11.09訂正】
「桟板」の読みは「せんばん」ではなく「さじきいた」でした…すみません(汗)。あと「渡り板」という言い方もあるようです。


「幌吊」については、2枚幌のものも含め、形状等にバリエーションがありますので、次回はそこらあたりをテーマにやってみたいと思っています。



では、改めてクモハ112-5303をご紹介します。なお、撮影時期は2003年12月、場所は舞鶴線の梅迫(うめざこ)駅。

クモハ112…といえば、その形式名からお分かりかと思いますが、中間電動車モハ112を先頭車化改造したもので、奇数側のクモハ113とペアで1ユニット。山陰本線京都口の113系4連等に増結されることもあって、前幌は偶数側のクモハ112が受け持っています。

元々は1986(昭和61)年秋の福知山線全線電化時に出現した形式(このグループは後にクモハ112/113-5800となる)が最初で、この5300番台は山陰本線園部-綾部間電化時にモハユニットから先頭車に改造され、応加重装置の装着に伴って+5000が付番されました。車歴は以下のとおりです。

*1977(S52).09.16 モハ112-330として新製(近畿車両)、高槻電車区に配置
*1986(S61).11.01 網干電車区に転属
*1992(H04).01.17 東海道山陽本線快速110km/h化に伴う改造(鷹取工場)、車番がモハ112-5330となる
*1992(H04).10.26 宮原運転所に転属
*1992(H04).11.24 ブレーキてこ改造工事(宮原所の113系M+M'全車・吹田工場)、車番がモハ112-6330となる
*1994(H06).09.02 これまでの改造部分を元に戻し(岡山区貸出?)、車番も原番号のモハ112-330に復する
*1995(H07).05.23 先頭車化改造(後藤車両所)後、福知山運転所に転属、車番がクモハ112-303となる
*1996(H08).11.06 応加重装置を装着(吹田工場)、車番がクモハ112-5303となる


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編成全体写真

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福知山所の所属区所標記は「福」が旧字体で特徴的


実はこの福知山の113系先頭車改造編成、一部にパンタグラフが2個の編成(霜取り用)があります。113系のモハユニットはもともとモハ112にパンタが付いてますから、……夢の「前幌・前パン」ということになり、「ロックオン対象」であることは言うまでもありません(笑)。JRRの「普通列車編成表」で運用は分かるんですが、朝夕中心の運用でなかなか撮りに行く機会が作れず「次の冬には必ずやモノに」と思い続けて数年が経っています。次こそはぜひ。