◆Vol30:ことでん房前駅~さくらの木とビンテージ電車

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駅というかちょっとしたオブジェのよう 2006年4月8日


春の岡山・高松「小遠征」、今回はことでんの4回目、房前(ふさざき)駅です。

実は志度へ向かう時に、京急デハ230の27+28を列車交換の時に見かけていて、帰りはこの編成を途中の駅で狙ってみようと思っていました。そこで、チェックを入れていたのがこの房前駅で、さくらの大きな木があるのもポイントです。ちょうどこのころ、各ブロガーさん方がさくらをテーマにした記事を次々とアップされていたのを横目で見ながら(笑)、「せっかくだからオレもさくらを絡めた写真を撮ってみたい」と思っていたところでした。この駅は、元々は交換可能な2面2線の駅だったようですが、今では交換設備が撤去され、ホームだけが残っています。

そこで、さくらの花びらを入れて撮ってみたのが上の1枚目の写真です。さくらの花もいいですが、ここもまた無人の途中駅でありながら、荒れた感じもなくきれいに保たれていました。待合いスペースには、ご覧のとおり灰皿、公衆電話、パンフレットやコミュニティ誌の設置棚、ゴミ箱、そして券売機がうまくレイアウトされていてまるで何かのオブジェのよう。

また、上の2枚目の写真でお分かりのとおり、木製のベンチには志度駅と同じように座布団が敷かれ、端には花瓶が置かれていました。この花瓶は地元の有志の方が駅の清掃のついでに置かれているのでしょうか、それともことでんの社員の方の心づくしなのでしょうか。いずれにしてもこの駅を「大切にしている」という気持ちが伝わってきます。あと、通りすがりの旅行者の方が置かれたのでしょうか、アルバム帳が1冊吊られていました。中を見ると、私が来る数日前に置かれたばかりでまだ1枚も写真が入っていませんでしたが、今度この駅に来ることがあれば、1枚持って行こうと思っています。


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<下の写真はクリックすると大きくなります>

京浜急行デハ230形の30形27+28


もと京浜急行デハ230形(1930~36年)のこの形式がことでんにやって来たのは1977年~80年。27+28で30形というのも妙な話ですが(笑)、増備が進む中で40番台を「忌み番」として避けたためにこういう付番となったとか。また、30形という形式は3代目でこの旧京急の車両が入線した当時には、まだ阪神からやって来た881形「喫茶店」が30形を名乗っており、最初に入線した車両は当時75形と呼ばれていたようです。

そういう複雑な番号の変遷はともかくとして、この27+28は今や30形で現存している唯一の編成で、ともに1932年汽車会社製の古豪。車齢74年は先頃定期運用から引退したJR西日本クモハ42001(1933年製)を上回る古ツワモノです。元は非貫通型だったのを貫通型に改造され、No.28の方は電装解除されてパンタグラフも撤去されてしまいましたが、特徴的な大型窓は健在で今なお志度線の顔(?)として走り続けています。補修用部品の手配など保守面でことでんサイドのご苦労は相当のものと推察されますが、貴重な「走る産業遺産」としてできるだけ長く活躍してほしいと願っています。


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