●第10回:南海10000系特急「サザン」

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10005F 特急サザン・なんば行き 天下茶屋駅 2006年3月



「ホロフェティストの部屋」、前回の南海7000系リバイバル塗装「前幌付き」に引き続いて、今回は同じ南海の10000系(特急「サザン」用)「前幌」についてのお話です。

南海10000系は、1985(昭和60)年に制御電動車Mc(モハ)+モーターなしの制御車Tc(クハ)の2両1ユニットで登場し、それまでの1000系特急「四国号」を置き換え、名前も新たに「サザン」と命名されました。この10000系は、鉄道友の会が選考する「ローレル賞」を翌86年に受賞しましたが、意外(?)にも南海の車両としては初めての受賞作でした。ちなみに「ブルーリボン賞」は1995年に50000系ラピートが受賞しています。

先述のとおり当初はMc+Tcの2両1ユニットで運用されていた10000系でしたが、1992(平成4)年に中間車が増備され、4両1ユニットで運用されるようになっています。このとき、トップナンバー~3番編成の6両が中間車に改造されてしまいました。ちなみに、改造中間車は側窓配置でわかります。新製中間車は連続窓、改造車は先頭車と同じ分離窓となっています。

南海10000系の編成表】
←難波 モハ10001形(Mc)+サハ10801形(T)+モハ10101形(M)+クハ10901形(Tc) 和歌山市


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10009F 特急サザン・和歌山市行き 天下茶屋駅 2005年8月


あと詳しいスペック等は、Wikipediaの説明にお譲りしますが(笑)、前幌を受け持つのはもちろん難波側の先頭車モハ10001形(Mc)です。ところで、この10000系の画像は、いろいろなWebサイトで見ることができるのですが、ダブルパンタを振りあげ、前幌をなびかせて疾走するシーンにはなかなかお目にかかることができません。

というのも、南海本線の特急「サザン」は、10000系のみで運行されるのは朝・夜の一部時間帯で、その他は難波側に7000系か7100系を併結しているからです。ですから、難波側の7000系や7100系の前幌を拝むことはできても、10000系の難波側先頭車の幌は併結用に使われていて、その豪快な幌姿は側面からほの見えるだけです。

特急「サザン」の中で、10000系のみで運用されているものを探すのは比較的簡単です。例えば、「えきから時刻表」で南海なんば駅の時刻表のページを開き、「駅時刻表」のモードで特急「サザン」の出発時刻をクリックします。すると「列車詳細」(通過駅、各停車駅の発着時間が表示される)の備考欄に<<南海特急サザン一部指>>が表示された場合は座席指定のない7000系か7100系との併結、<<南海特急サザン全シ>>と表示された場合が全車指定席、つまりこの場合が10000系のみで運用されている場合=難波側の前幌が拝める場合となります。

ところで、いろいろ10000系についてネットサーフィンしていて、「この車両に前幌は暑苦しい」と書いてあったサイトがありました。確かに言われてみればそうかもしれませんね(笑)。南海タイプの無造作にクシャクシャと畳んだようにも見える幌枠のない幌は、高野線6000系や本線用の7000系や7100系のような武骨な車両にこそ似合うのかもしれません。でもまぁまたその「暑苦しさ」がいかにも南海らしくてイイ、と言ったら怒られるでしょうか?



【関連記事】
●第4回:幌の形態いろいろ①ジャバラタイプ(書庫「ホロフェティストの部屋」より)

【外部リンク】
●南海10000系電車 -Wikipedia