▲「私生活のシンドバッド」ゲルハルト・ベルガー

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*今回の「古館語録」は、古館実況時代にフェラーリマクラーレンでトップ・ドライバーとして活躍したゲルハルト・ベルガーです。

その後のベルガーは96年にミハエル・シューマッハと入れ替わる形でベネトンに移籍し、97年一杯でF1から引退しましたが、その後はBMWモータースポーツ部門のディレクターとして活躍、エンジン供給先のウィリアムズのピットでインカムを付けた姿が印象的でした。現在はレッドブルのアドバイザーという形でF1の現場に姿を見せています。

現役時代は通算10勝にとどまり、タイトルには手が届かなかったゲルハルトですが、入賞回数や表彰台の回数、あるいは彼のキャラクターやアグレッシブなドライビング・スタイルは「A級」にふさわしいものでした。一方、彼より多い13勝をマークしているはずのDC先生はこれまでのパフォーマンスからすれば紛れもないA級のはずなんですが、そこはかとなく「B級」っぽいテイストが漂うのは何故でしょうか…(爆)。


(1) 私生活のシンドバッド

(2) スピードと快楽のシンドバッド

アラビアン・ナイトシンドバッドの冒険」ですか。やっぱり「冒険」だけじゃなくて「姫」が側にいないとダメなんですね、この人の場合。まさにフルタチ節炸裂、といったところでしょうか(笑)。ちなみに、(2)はネルソン・ピケのかの有名なフレーズ「スピードとオンナの漂流者」の変形バージョン(?)。一つのレースで(1)(2)両方言ってたのを聞いたこともあります。よっぽど気に入ってるんでしょうか?

(3) 私生活のワールド・チャンプ

結局ゲルハルトは「一流」と言われながらもタイトル争いには最後まで縁がなかったのですが…プライベートではもう「モテまくり」だったとか。鈴鹿のF1を初めて見に行った1993年、スプーンの飛び込みでリタイヤしたベルガーをフェンス越しですが間近で見たことがあります。男の私の目から見ても確かにカッコイイ。「ハゲかけててもイケてる」人が実際にいるなんて、その時初めて知りました(笑)。

(4) 好色スピード男

あんたは井原西鶴か。「ステアリングを握った浮世草子とか(笑)。

(5) F1界のエロティカ・セブン

「エロティカ・セブン」(爆笑)。これ、1993年リリースのサザンのヒット曲の題名ですが、何故かゲルハルトにぴったりとハマるフレーズ。彼のカーナンバー28のフェラーリの赤が何とも「官能的」に見えてしまうのは…おそらく気のせいではないと思います。

(6) 女好きのチロリア

もうそのまんまやないかい(爆)。

(7) 生身のオンナは口説けても、勝利の女神は口説けていないぞ、ゲルハルト・ベルガー

1994年パシフィックGP(岡山・TIサーキット英田)でのフレーズ。逆のパターンならよくあると思うんですが…。表彰台には何度も昇っても、その真ん中にはなかなか立てなかったゲルハルト、シーズンの最多勝は87年と92年の2勝でした。

(8) 享楽主義者のゲルハルト・ベルガーが過激な週末を迎えております!

これも94年TIでのフルタチ絶叫。ウィリアムズ・ルノーデーモン・ヒルと激しい2位争いをしていた場面でのフレーズでした。

(9) この男、ただのスケベではなかった!

こっちは93年の日本GP予選で暫定ポールのタイムを叩き出した時のフルタチ絶叫。なんかもう、この時のゲルハルトは完全に「えーかげんなヤツ」キャラが確立してしまっていた感がありました(笑)。

(10) オーストリアのラテン系

でもってとどめが「ラテン系」と。名前も風貌も、見るからにゲルマン系以外の何者でもないんですが…でも何かしっくりくるのはなぜでしょうか。

(11)第二のニキ・ラウダ

でも、最初のフェラーリ在籍時代は「センシティブ&アグレッシブ」なイメージで語られていました。クラッシュ&炎上の大事故から甦った母国の大先輩ニキ・ラウダ(1975、77、84ワールド・チャンピオン)と同様に彼も89年のサンマリノGPでクラッシュ&炎上から奇跡的に生還(しかもほとんどクラッシュの状況に比べるとほとんど無傷で)し、私なぞはプロスト、セナの次のワールド・チャンピオンはゲルハルトだと思っていたのですが…。

(12)マクラーレン助演男優賞

(13)セナの助演男優賞

(14)セナの皆既日食

タイトルを本格的に狙うべく移籍したはずのマクラーレン・ホンダ時代(1990~92)、思いとは裏腹にゲルハルトは完全に故アイルトン・セナの影に隠れた存在になってしまいます。いつも開幕戦のドライバー紹介では「セナの助演男優賞を返上して」とか助演男優賞はもういらない!」とか言われていても、シーズンが進めばやっぱりベルガーはセナのNo.2扱い。でもプライベートではゲルハルトの「圧勝」だったようですが…セクハラのみならず「イタズラ大魔王」の異名もあったゲルハルト、この当時セナにした強烈なイタズラが少なくとも3つあったそうです。
1)セナのブリーフケースをヘリの上から投げ捨てた(おい)。
2)宿泊したホテルでセナの部屋に侵入、腐った魚やチーズを投げ込んでおいた(おいおい)。
3)セナのパスポートの顔写真をあられもないヌード写真に貼り替えておいた(おいおいおい)。
それでもセナはゲルハルトに「よくなついて」いて、休暇を共に過ごすことも多かったそうですからまぁ世の中わからんもんです(笑)。

(15)F1倦怠期

(16)ハイテク迷い子

(17)F1界のはぐれ雲

マクラーレン時代、ゲルハルトが途中リタイヤするたびにフルタチさんに言われていたのがこれら(15)~(17)のフレーズ。その中でも、うんざりした表情を隠そうともせず、ピットへ向かってやる気なさげに歩く彼を評した(15)「F1倦怠期」は出色のフレーズでした。

(18)優勝しないかもしれない症候群

「セナに逢いたいシンドローム」に比べて…ちょっと可哀想かも。ちなみに、ゲルハルトがようやくマクラーレンで初勝利をマークしたのは…移籍2年目の91年シーズン終盤の日本GPでした。しかも最終ラップ、最終コーナーでトップのセナがいかにも「くれてやる」ようにゲルハルトに譲った勝利。このシーンに感動したかどうかで当時のファンを「セナ信者」と「アンチセナ」とに選別した「踏み絵」の役割も…あったかどうかは定かではありません。

(19)運転手はセナだ、車掌はベルガーだ!

92年開幕戦、南アフリカGPでのフレーズ。こういう言われ方もドライバーとしてはいかがなものかと…傍で聞いてる分には面白いですが(爆)。

(20)セナの子会社から脱出したいぞ、ベルガー運送

オーストリア・ヴェルグルの運送会社の御曹司だったゲルハルト、父の跡を継いでF1ドライバーの傍ら社長業にもいそしんでいたとか…彼には意外と(?)経営センスがあり盛業中だとか。っていうかフルタチさん、(19)のフレーズ言っておきながらどっちやねん(笑)。

(21)来たかベルガー、待ってたフェラーリ

で、とうとう93年はフェラーリに出戻ったゲルハルト。やっぱり彼はマクラーレンよりフェラーリにいた方がしっくりくるように思うのは私だけでしょうか。ちなみに、一度フェラーリを出たドライバーで、再びスクーデリアに帰ってきたのは目下の所ゲルハルトただ一人…というのが彼のキャラクターを最もよく表しているように思います。



【参考ページ】
●ゲルハルト・ベルガー -Wikipedia ~爆笑もののエピソードが満載です。


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現役を引退してもなおスタンドに横断幕が出されるゲルハルトのキャラクター… 2002年鈴鹿