●第13回:幌の色彩学(1)グレー

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クハ111-703 東京駅 2004年6月



今回の「貫通幌のガイドライン」は、「幌の色彩学」(?)、幌布や幌枠・幌吊等の周辺パーツに採用されている「色」について考えてみようと思います。

「幌」と聞けばまずイメージされるのは…やはり「グレー」でしょうか。というかほとんどの幌がグレーと言っても過言ではないかもしれません。もともとデザインに凝る部分ではないでしょうから、ともかく汚れが目立ちにくくて落ち着いた色、ということでグレーが多く採用されているものと思われます。

上の写真は、東京まで乗り入れていたJR東海・静岡運転所(静シス)のT編成です。「湘南電車」基本10両編成(国府津電車区持ち)の東京側に連結されていた4両組の付属編成で、Tc車には東京口乗り入れのためATS-Pを装備し、奇数向車は700/2700番台、偶数向車は600/2600番台を名乗っていました。

話が少し逸れてしまいましたが、この「グレーの幌布+グレーの幌枠」のコンビネーションが113系115系など「国鉄型車両」の定番でした。このグレーの幌布が使い込まれ、日に焼けてくると…ホコリやその他諸々の時の経過がコーティングされて飴色っぽく変色していきます。それもまた車両の年輪と風格を感じさせてイイ、とは言い過ぎでしょうか(笑)。


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クハ111-5410 大垣駅 2003年5月


次は2004(H16)年秋に引退した網干総合車両所持ちの113系ですが、網干所のクハ111形は車番こそ+5000のインフレナンバーでしたが、グローブ型ベンチレータ、原型デカ目ライト…と初期車必須のアイテムを残したものが数多く生息していました。タイフォンカバーがお椀型になっているのがちょっと残念ですが(笑)。

それはともかく、上の写真では、幌枠が黒に塗り替えられていますが…1枚目の同じクハ111と比べると、ワンポイント入っただけでイメージが少し変わりますね。まぁ、デカ目とシールドビーム、という所もポイントになってはいますが…。

ちなみに、JR西日本113系、幌の色は同じですが、幌枠の色、それからフロントガラスの押さえ、方向幕の色、それから車体色等々、バリエーションに富むというかほとんどカオスと化しています(笑)。改造・車体更新の時期が様々であることと、短期間に転属、貸し出し・返却を繰り返している編成が一部にあるからでしょうか…。

幌の話に戻りますが、幌枠を黒にしたなら、幌布も黒に塗ってしまえ…と思ったりもするのですが、私自身が黒いボロパジェロに乗っていた(今また深緑のパジェロですが…懲りていない)ので分かるのですが、意外と黒は汚れが目立ってしまいます。汚れが付くと、白っぽくなってしまうのです。


「幌の色彩学」、あと2回ほど続きます。次回は「黒い幌」についてのお話です。


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ジャンパ栓の組み合わせはやはり幌に合う クハ111-2707 東京駅 2004年6月