◆Vol34:阪堺電軌・我孫子道駅

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モ161形171号車 1989年11月 我孫子道


阪堺電軌&南海シリーズ」、前回の恵美須町から、今回はいきなり我孫子道まで飛んでしまいます(笑)。途中にもほどよく枯れたいい駅というか停留所がたくさんあるはずなのですが、どうも乗りつぶしと撮影を兼ねるとこういう拠点となる駅の記録しか残りません。また今度時間を作って途中の駅にも行って、変わったサ店でも探してみたいと思っています。

阪堺電軌はここ我孫子道までが大阪市内、すぐ側には大和川の鉄橋があり、向こう側からは堺市になります。写真をご覧いただくとお分かりかと存じますが、阪堺車両基地はここ我孫子道にあります。天王寺駅前からやってきた上町線の電車は、ここが終点となります。

1枚目の写真は折返し上町線方面へ向かうモ161形の171号車、161形は基本的に川重製ですが、170番台(171~173)の車両は1930(昭和5)年田中車両(今の近畿車両)製。しかしこの写真の雰囲気、「路面電車」という感じではないですね。もっとも阪堺は路線の多くが専用軌道で、だからこそ何度か廃止が取り沙汰されても今まで生き残ってきたのかもしれません。

この171号車は、現在は南海時代の初代旧塗装(モスグリーン)に換装され、生まれ故郷の近畿車両で静態保存されています。撮影当時のラッピングはちょっとわかりにくいですが「タマノヰ酢」(ラッピングは濃紺ベースのものもある)のものでしょうか。


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モ121形127号車 1989年11月 我孫子道



2枚目の写真は…モ161形とほとんど同じ姿形ですが、大阪市電1601形を1967(昭和42)年に譲り受けたモ121形で、今では全車引退してしまいました。こちらも1929(昭和4)年生まれの古豪ですが…この色は一体何なんでしょうか(爆)。

チンチン電車原風景」とでも言うべき無骨なスタイルにショッキングピンクのラッピングベースカラーのアンバランスさがタマりません。しかもエンジン、もといモータ音は吊り掛け式の重低音、これは何と言えばいいのか…。

「鼻にピーナツ入れて鼻息で吹き飛ばしながら越路吹雪の”ろくでなし”を歌うワハハの梅垣義明さん」みたいなものでしょうか……???

もうちょっと近くに引きつけてブレずに撮っておけばと後悔しきりの一枚でした(え?)。


で、車両の塗色ですが、Y!で鉄道系ブログをされている慌てん坊将軍さん「30年前の写真その3・南海大阪軌道線」で30年前の雄姿を発見しました。当時の南海軌道線の標準色であるクリーム色に緑のツートン、行き先表示も幕ではなく角板、という貴重な写真です。慌てん坊将軍さんの記事では他に平野線(1980廃止)のモ121形の雄姿も収録されています。奇しくも、今回の私の記事と同じ161形170番台と121形の組み合わせですね。

平野線の方は、モスグリーンの初代旧塗装に丸形方向板、こちらの方は、残念ながら直接実車を見たことはありませんでした。ぜひそちらの記事とも比較して、阪堺電軌の車体色の変遷をお確かめ下さい。


*次回は、大和川を渡ります。