◆Vol37:阪堺電軌と遠里小野橋~大和川駅(3)

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大和川駅・踏切 2004年1月


今回もしつこく大和川駅です(笑)。

「踏切で電車の通過を待つイメージ」ということで、踏切目線でスナップしてみました。踏切の所だけ何故か道幅が狭くなっています。

大和川は、奈良から大阪まで東西に流れる川で、この阪堺電軌だけではなく、南海本線高野線JR阪和線いずれもこの川を渡ることとなり、どの路線もちょっとしたフォト・スポットとなっています。でも、川のすぐ側に駅があるのは阪堺だけ。しかもその鉄橋の風格は他とは比べるべくもありません(?)。

それから、以前は車内のテープでの放送では「やまとがわ」を関西弁のイントネーションで発音していました。「ま」でイントネーションが上がって「と」にアクセントがある発音。なんで大和川だけそうなのか、よく分かりませんが…。


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恵美須町行きの電車がやってきました。またまたモ161形です。待てど暮らせど来ないときもあれば、こうやって立て続けに何台も来ることもあるので「ああ今日は動いてないんだ」と諦めてしまうと「もう少し待っておけばよかった」と後悔することになります(笑)。


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パラパラと数人乗り降りすると、出発です。ここらあたりの雰囲気はとても良いのですが…ご存じの方もおられるとおり、大和川は毎年国土交通省の全国河川水質ランキングワースト1をひた走っているようです。最近では水質改善への取り組みが効を奏して水質は大幅に改善されているようですが…。



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遠里小野橋の欄干


1枚目の写真で踏切の奥に橋が見えていますが…上の写真がこの橋、遠里小野橋」の欄干です。



遠里小野」…何と読むかご存じでしょうか…私は知りませんでした(爆)。「とおりおの」? いえいえ「おりおの」と読むそうです。

この地名の読み方とか由来を調べようと「Google君」に聞いてみたところ……「遠里小野(おりおの)blog」(まささん)というこれまたタイムリーな所に出会いました。ブログ名のとおり遠里小野に住んでおられる方のブログサイトで、街の由来や歴史を詳しく説明されている記事もあります。


大阪市南部の住吉区堺市北部に「遠里小野」という町名があります。
まず、初めから「おりおの」とは読んでもらえません。天王寺あべの橋)から出ている大阪市バスにも「おりおの橋」行きというのがありますが、ご覧のようにひらがなで書かれています。

●「おりおの」な話題を少し1

元々は「瓜生野」(うりうの:瓜の産地だったことから)と呼ばれていたそうですが、その音がナマって「遠里小野」(おりおの)となったとか。また、「万葉集」ですでに「遠里小野」という地名が登場していたようです。また、この辺りは菜種油の名産地としても知られていたそうで、開花時には一面菜花畑の光景が広がっていた…ということですが、ちょっと今の風景からは想像できませんね。

あと私が気になったのは…マピオン「大阪府堺市遠里小野町1丁」付近地図でも分かるように、大和川を挟んで大阪市(住吉区)側と堺市(堺区)側の両方に「遠里小野」の名前が残っている点でしょうか。

川を挟んだ両側の街というか村が一つの集落として発達していったのか…と一瞬思ったのですが、大和川は確か300年ほど前に相次ぐ洪水のために流路を変えて今の堺市方面に流すようになった…ということだからやはり元々は一つの集落が川の流路変更によって分断された、ということのようです。その後も行政区画は川の流れに沿ってそれぞれ分かれても地名としてなお残るところに歴史というか街のDNAのようなものを強く感じます。

それはそうとして、この遠里小野橋の建設は1930(昭和5)年、かのモ161形とほぼ同い年。欄干はそのころからのものでしょうか。この欄干、何故か分からないけどどうにも気になります。東京の旧交通博物館の脇にある万世橋の欄干のように「歴史的建造物」として知られるわけでもなく、周りの街も歴史のある場所ではあるけれど「観光地」というわけでもありません。見た感じも…「レトロ」風というわけでもありませんが…かといって「うち捨てられている」という感じでもありません。どう言えばいいのか…、

ずっと昔から「ただそこにある」、といったところでしょうか。

そうか、なるほど「ただそこにある」……でも「ずっとそこにある」というところが私の「旅のようなもの」というメンタリティにマッチしているのかもしれません。

ちなみに、「おりおの」をATOKで漢字変換すると…一発で「遠里小野」と出てきます(笑)。


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最後は大和川駅に戻って、モ168の「形式風」ショットです。モ161形は、旧南海カラーに塗られた162、163以外は今はこの塗色に統一されています。ちょっと薄目の緑に白のストライプ…この塗り分けにも、武骨なモ161形に程よくマッチした落ちついた雰囲気が漂っていて好ましく思えます。


ちょっと大和川に長居してしまいました(笑)。そろそろ先へ進むことにしましょう。