◇【第9回】ミカ3-161号機~韓国鉄道博物館(2)

「海外の鉄道・バスの旅」、今回は韓国鉄道博物館の2回目として、展示車両のミカ3-161号蒸気機関車のスナップをご紹介します。

博物館の門を通ってまず右側に見えるSLがミカ3-161号機です。「ミカ」というと……F1も好きなオレ的には、即座に「ハッキネン」となるのですが(笑)、米国式の車輪配置表記で「ミカド」のことで、「先輪1軸、動輪4軸、後輪1軸」の配置です。南満州鉄道と、朝鮮総督府鉄道ではこの米国式の車輪配置表記がそのまま形式名の一部となっていました。

「ミカ3形」とは、朝鮮総督府鉄道の旧「ミカ-サ」形、つまり「ミカド形の3番目」の形式の車両です。


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前面のナンバープレートにはハングルで「ミカ」と標記されている… 2006年10月


動輪4軸のミカド形…とくれば、車格的には日本のD51あたりに相当するのでしょうか。実際ネットでいろいろと調べてみると、このミカ3形を「韓国のD51」と紹介しているものもありました。いずれもSLとしてはそれぞれ最多の両数(ミカ3:307両、D51:1115両)を誇る貨物専用機としてポピュラーな存在です。このミカ3-161は、1940年日本車両製で、1981年-83年には、慶州-釜山間のSL観光列車にも使われていたようです。

日本のD51と寸法等を比較すると、下記のとおりになります。ミカ3の方が若干大きいのは、軌間標準軌だからと思われます。

*ミカ3 … 全長20.770m 全高4.507m 全幅3.054m 動輪直径1.400m 出力 973馬力
*D51 … 全長19.730m 全高3.980m 全幅2.936m 動輪直径1.450m 出力1280馬力



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テンダ部分からのリアビュー

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ミカ3-161のキャブとボイラ


一応階段が付いていてキャブの中には入ることができるのですが…その先は柵がはまっていてキャブの中の機器に触れることはできません。上の写真は、柵の隙間にカメラを差し入れて撮ってみたものです。画面の一番左のレバーは、逆転器でしょうか。それからブレーキハンドルが自弁と単弁、どちらがどっちかわかりませんが…それからインゼクタにボイラの各種メーター……やっぱり機関車はプリミティブな(?)メカの質感がカッコイイです(笑)。


次回も、もう一回蒸気機関車の展示車両、パシ5-23号機の予定です。


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