◇韓国・第11回：GM大宇・ウィンストーム
「GM大宇」とは、読んで字のごとくアメリカの「ビッグ・スリー」の一つGM(ゼネラルモータース)系列の自動車会社で正式名称は「GM大宇自動車技術」ですが、1962年に創設された「セナラ自動車」を発祥としています。
その後1972年にGMが資本参加、社名が「セハン自動車」へと変更され、更に現代グループと並ぶ韓国有数の財閥・大宇グループが資本参加したのは1983年のことでした。社名が「大宇(デーウ)自動車」となったのはこのときで、GMグループとの連携も保ちつつ(というか、80～90年代の大宇は「韓国オペル」とも言うべき商品展開でした)、現代と並ぶ韓国随一の自動車メーカーとして知られ、97年には雙龍(サンヨン)自動車を買収しますが……2000年に大宇グループが破綻してしまいます。
その後乗用車、バス、鉄道車両等各分野で活躍していたグループ各社は、それぞれグループから分割され、買収・合併されてしまいました。例えば、乗用車部門はGMグループの子会社となり(サンヨンは中国の上海汽車に買収されてSSangYongブランドが復活)、トラック・バス部門はトラックがインドのタタ・モーターズに買収されて「タタ大宇」、バスが「大宇バス」として分割され、また、現代精工と並んで韓国随一の鉄道車両メーカーだった大宇重工は現代、韓進と合併してロテム(Rotem)社となりました。
またまた例によって前振りが長くなってしまいましたが……ウィンストームの画像をご覧ください。
場所は、仁川国際空港の搭乗ロビーに設置されたGM大宇特設ブースです。仁川国際空港は、「アジアのハブ空港」と言われるだけあって搭乗ロビーも桁外れに大きく、免税店やレストラン、喫茶室などが立ち並ぶちょうど中間の位置に大宇の展示ブースが鎮座していました。
このウィンストーム、トヨタ・ハリアーのピラーを心持ち立ててフロントグリルを少しおとなしめのモノに変えた……といった感じでしょうか。つまり今はやりのクロスオーバーSUV、って何かもう一つ意味がよく分かっていないのですが……平たく言えば、従来のオフローダー的なキャラクターの強いこの手のクルマをオンロード中心に大きく振ったクルマ、というイメージだと思います。個人的には初代三菱パジェロとか、ランチア・デルタのようなゴツゴツして角ばった「いかにもヘビーデューティー」みたいな形が好きなのですが、今のトレンドは日本だけではなくヨーロッパやアメリカでも、曲面と直線のキャラクターラインを上手く組み合わせてエモーショナルな躍動感を出す方向に振られているようです。
「ウィンストーム」とは韓国国内向けの名前で、GM大宇のものがオリジナルとなるのですが、GMブランドでは「シボレー・キャプティバ」(主にヨーロッパ市場向け)、オーストラリアのホールデンでは「ホールデン・キャプティバ」として商品展開されているようです。
とか何とかごちゃごちゃ言ってきましたが(笑)、こうやってきれいにライトアップされて展示されている現物を見ると……やっぱりそれなりに格好イイものです。韓国車を色々見てきた中で、ここまでの記事で取り上げた初代現代ギャロッパー、雙龍コランドーと並んでこのウィンストームも是非ドライブしてみたいクルマです。
では、ここでYouTubeで見つけたCMスポット動画をいくつか。
◎YouTube - GM Daewoo Winstrom commercial
～ウィンストームのテレビコマーシャル。「クロスオーバーSUV」に相応しくなかなかクールな仕上がり。やっぱり オンロード中心というか街中や高速道路を疾走する、というイメージですね。
～ウィンストームのテレビコマーシャル。「クロスオーバーSUV」に相応しくなかなかクールな仕上がり。やっぱり オンロード中心というか街中や高速道路を疾走する、というイメージですね。
◎YouTube - Chevrolet Captiva ad
～こちらはシボレーブランドの「キャプティバ」のCM。本国韓国のものとは異なり、都市から郊外への移動をイメー ジした作り。交差点で止まっているといきなり大道芸人の一群が現れて森へと誘うストーリーが面白いです。
～こちらはシボレーブランドの「キャプティバ」のCM。本国韓国のものとは異なり、都市から郊外への移動をイメー ジした作り。交差点で止まっているといきなり大道芸人の一群が現れて森へと誘うストーリーが面白いです。
◎YouTube - Daewoo Lemans coupe 1987 Commercial (AIRWOLF)
～オペル・カデットのノックダウン車「ルマン」。イギリスでは「ボクスホール・アストラ」として販売されていました。大宇自動車時代のCMは必ず締めが「大宇自動車(テウ-チャドンチャ)」でした。
～オペル・カデットのノックダウン車「ルマン」。イギリスでは「ボクスホール・アストラ」として販売されていました。大宇自動車時代のCMは必ず締めが「大宇自動車(テウ-チャドンチャ)」でした。
次回は、また「食べ物」に戻る予定にしています。
