◆Vol41:餘部探訪シリーズ(2)香住から餘部へ

餘部探訪シリーズ・第2回、前回記事「『カニづくし』の香住駅」の続きです。


定刻どおり12:31に浜坂行きの171D(城崎温泉11:58発)がやって来ました。片運転台のキハ47-10と両運転台の40-2046の2両編成で、関東在住のさるブロガーさんならおそらく「思わず萌えてしまう」、いや私自身も最近つとに気になって仕方のない組合せです。運転台の付いている側と付いていない側が幌で連結されている様は……いやそういう「幌何とか」な話はまた書庫と記事を改めましょう。

反対側のホームから編成写真をハイアングルとローアングルの2種類で撮り、ついでにキハ47-10の車番も収めてから地下道を渡って171Dに乗り込むと、車内はほぼ満席、大半が「餘部見学組」といった趣でした。各扉のあたりは……と見れば鉄橋通過中のシーンを収めるためかいずれの扉の両側もスタンバイ状態でした。

子どもたちに「空いてる席があるから3人バラバラで座るか?」と聞くと、2人とも「立ったままでいいから外が見える方がいい。お父さんと一緒に居る」。私から目を離すと「このおっさんはどこに飛んでいくか分からん」とか思っているのでしょうか、これではどちらが保護者なのかわかりません。


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(1枚目:キハ47-10+40-2046、2枚目:鎧駅付近、3・4枚目:鎧駅)


彼らはこういうローカル線の列車に乗る機会が滅多にないからなのか、目に付くモノを次々と指差してはいろいろと質問やツッコミを飛ばしてきます。

「あの大きな丸いヤツなあに?」-「アレは扇風機」

「じゃ夏はクーラーとかないの?」-「いやあそこにユニットあるでしょ?」
「ユニットってなに?」……しまった、非鉄の、しかも子ども相手に「ユニット」はないだろうよ。
「(上の息子が網棚の上の箇体を指して)あそこから風が出てくるんやろ?」……ナイスフォロー5年生。

「目の前のこの赤い箱なに?」-「整理券出てくんの」
「整理券って?」……「えー…どこの駅から乗ったか分かるカードみたいなもの」
「○○ちゃん取ってないよ」-「僕らは駅員さんのいる駅で切符買ったから取らんでもええの」

「おとーさん何撮ってんの?」-「さっき買った切符撮ってんの」
「でもその切符持って帰るんでしょ?」-「いやこれ降りるときに運転士さんに渡さんとあかんやろ」
「ふーん」

切符の写真をブログに載せようと思ったから……と言おうとしてあわててその言葉を飲み込みました。ヤツらに「ブログ」の定義を説明するなんて、考えただけでも目が回りそうだったからです。そんなことしてる間に餘部を通りすぎて終点の浜坂にまで行ってしまいそう。

「あ、お父さん前に行って写真撮ってくるからキミらそこに居ててよ」



ではここからはコンデジの動画機能で撮った「動く絵」をご覧下さい。鎧を出発してから餘部まで所要数分の間に抜けるトンネルは大小4つ。よくぞこんなところに鉄道を通したものだと今更ながらに感じさせられます。山肌を縫うように、というよりはそのまま「海辺にそそり立つ崖を力技で穿ち、くり抜いて線路を通した」というべきでしょう。上の動画は最後のトンネルを抜けて餘部駅に到着するまでの1分48秒間を収めています。

でもやっぱりワンマン仕様のクルマは前が見えないですね、室内確認用のミラーがあるから……すみません、音と何となくの雰囲気を感じていただく、ということでご了承下さい。


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香住から2駅目、所要11分で餘部に到着しました。171Dから降りる人、乗り込む人、待ち受けていたギャラリー、そして早速キハ47をバックに記念撮影モードに入る人々……と片面1線の餘部駅はたちまち主要駅並の賑わいです。171Dが停まったあたりは、ちょうどホームと脇の草むらに雪が残っていて、「雪遊びさせたるから」と誘い出した子どもたちは「雪や雪やー」とか言いながらさっそく雪だまりに飛び込んでいきました。時刻表の上では停車時間1分ということでしたが……実際は3分ほど停まっていたでしょうか。


さて、これからが「メイン・ディッシュ」の始まりです。

(まだまだつづく)


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【追記08.04.04】
◆「"餘部鉄橋"でひとこと」(はてなハイク)
~「餘部シリーズ」の「延長戦」はここに写真を貼ったり小論を書いたりして続けていきたいと思っています。もうすでにいくつかのネタを投下していますが、当ブログでは敢えて今回書かなかった話(何で橋の架け替えが必要なのか、これから香住-浜坂間はどうなっていくのか等)を書いたり、本編記事ではアップしきれなかった写真などを貼っていくつもりです。