◆Vol48:関東遠征08春(2)東京近郊区間大回り乗車

「関東遠征08春」シリーズの今回は2回目、東京近郊区間大回り乗車です。

<1>鉄道博物館と所蔵車両(前回記事)
<2>東京近郊区間大回り乗車(今回記事)
<3>中央線「山スカ」115系電車観測

この「第2スティント」であらかじめ「はてなフォトライフ」にアップした写真は以下の4枚です。



15時半頃に鉄道博物館から撤収した私は、ポートライナーそっくりの「新交通」に乗って大宮駅に戻ってきました。ここからは京浜東北線等で都内に戻るのではなく、高崎線八高線経由の大回りをすることにしました。「メイン・ディッシュ」は八高北線の「コミューター・ヒーロー」キハ110系気動車の前幌観測です。

キハ110系投入以降、八高線には何回か行ったことはあるのですが、高麗川も高崎も対向ホームからの撮影には不向きです。特に高麗川駅ではキハ110系が発着するホームは2番線と決まっていますが、対向ホームとなる1番線には南側電化区間川越線の折り返し列車が長く停まっていることが多く、私が過去何回か行ったときは折悪しくいずれも2番線のディーゼルカーを完全ブロックしているような状態でした。

今回は途中駅で一度下車して(「大回り」ですからもちろん改札は出ずに)、対向ホームからキハ110系を型式・編成写真風に撮ってみようと考えました。また連結面の繋ぎ方も気になります。

このスティントのタイム・スケジュールは以下のとおりです。

大宮15:51発【高崎線211系EC】倉賀野17:02着/17:22発【八高線110系DC】児玉17:42着/18:20発
八高線110系DC】高麗川19:20着/19:23発【八高線205系3000番台EC】八王子20:06着/20:28発
【中央線快速E223系EC】四ッ谷21:24着


倉賀野駅の17時台八高線上り列車は、17:05に高麗川行き、17:22に数駅先の児玉止まりの区間便、そして17:58にまた高麗川行きとなっています。最初の高麗川行きを対向ホームからスナップして次に来る児玉行きに乗り、さらに児玉で高崎へ折り返す列車を存分に撮ってから、最後はまた次に来る高麗川行きに乗って南下する、というプランです。


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倉賀野17:05発高麗川行き キハ110-209等3連

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大宮方面から来た「タキ」の軍団

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枯れた景色の中を行く…群馬藤岡丹荘


倉賀野にはほぼ時間どおりに到着、首尾よく上の写真のとおりキハ110を対向ホームからスナップし、次の児玉行きを待っていると……はてなフォトライフ」にアップした写真(5)のとおりEF65PF率いるタキの軍団に出会うというオマケも付いてきました。

17:22発の児玉行き(キハ110+112+111の3連)は座席が概ね8割方埋まった状態でやって来ました。でも2つ先の群馬藤岡でごっそりとお客さんが降りてしまうと、先頭のキハ110-219に残ったのは私一人の貸し切り状態に。後ろを見ると……やっぱり残っているのは1両につき1人か2人ぐらい。

一面に広がる冬枯れの景色の向こうに家が点在する中を更にしばらく進むと、終点の児玉です。ここで、気動車標準車内チャイムの「アルプスの牧場」が鳴って「まもなく、終点児玉に着きます。お出口は左側」………とでも渋い低音のアナウンスが入れば雰囲気的にはぴったりはまるのでしょうが、JR化以降に作られたキハ110系にはそういうチャイムは付いていないようで、もそもそとアナウンスだけが入りました。

そして定刻どおり17:42に到着、そのまま上り(高麗川方面行き)ホームで高崎への折り返し待ちをする110系気動車を「一人撮影会」状態で存分に堪能させていただきました……「はてなフォトライフ」にアップした写真(6)のとおり。

キハ110系の詳しい「観測結果」については、また書庫「貫通幌のガイドライン」の記事としてレポートさせていただくとして、ここでは児玉駅で撮ったスナップをいくつか紹介させていただきましょう。


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児玉駅前(下りホームから撮影)


まず目を引いたのは、駅前に立っている錆びたトタンとコカコーラのロゴマークが印象的な「食堂真砂」。ここはもう営業をしていないのか、それとも夕方には早々と店じまいをするのかよくわかりませんが、とにかく妙に存在感のある建物です。その周りの町並みと道路を見れば比較的新しいもののようで、手前に「送迎用」と駐車スペースが白枠で囲われているところから考えて、ベッドタウン的な性格も持った街であることが推察されます。

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児玉駅の駅舎~国鉄テイストをそのまま残す


一方で駅舎の方はといえば、各種の案内表示ともども国鉄時代の雰囲気をそのまま残しているようでした。車両はロングシート車のキハ35系から、洗練されたスタイルにカミンズのハイパワーエンジン(420PS)をおごったセミクロスシートのキハ110系に置き換えられても、駅舎は国鉄時代のままで、ホームもとりわけかさ上げ等の工事は行われていません。

これは他の八高線(高麗川以北)の駅でも同じ事情のようです。何せキハ110系200番台といえば、これまでの番台とは異なりプラグドアを通常の引き戸に戻し、さらにステップ高さも下げられており、それはホームのかさ上げをせずに済ませるための仕様変更かもしれません。



ここでまたYouTubeにアップした動画を貼っておきましょう……ってこれで4記事連続ですか。

児玉で12分停車し、17:54に高崎へ向けて折り返していく2282Dの発車シーンです。高崎側からキハ111-207+112-207+110-219の3両編成。この後もう一度高崎行きの列車を見送ってから、18:20にやって来た高麗川行きに乗車しました。

3月になって、日がずいぶん長くなってきたとはいえ、あたりはもう真っ暗です。列車に乗り込んでしばらく闇を見ながらぼんやりとしていたらいつの間にか意識が遠くなっていき、ふと気が付くと、車掌さんが「終点ですよ」。神戸の自宅を朝7時過ぎに出てから約12時間、久しぶりの鉄道三昧の一日にやはり少し疲れていたようです。


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乗客用ドア開閉スイッチ 205系3000番台

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クハE233-34等10連 八王子駅


半ば寝惚けたまま、高麗川では同じホームの反対側に待つ電車に乗り換えです。19:23発の八王子行きは八高線川越線用に投入された205系3000番台のトップナンバー編成。時折対向列車の待ち合わせをしながら20時過ぎに八王子に到着です……「はてなフォトライフ」にアップした写真(7)のとおり。

ここでようやく数時間ぶりにタバコを吸うことができました。大宮で最後の1本を吸ってから、八王子まではホームにタバコの自販機が置いてある駅がありませんでした。八高線に乗っている間、いつの間にかウトウトしてしまったのは、禁断症状だったのかも……ってもう重症やな。

それはともかく、上の写真でも分かるように、山手線で使われていた205系をローカル線用に改造した3000番台(先頭車クハ204/205は中間車サハが種車。まるでJR西日本みたい)の特徴はやたら押しボタンの大きい乗客用のドア開閉スイッチです。写真は車外の開きボタンのみのスイッチですが、もちろん車内には開閉スイッチの特大ボタンが上下に並んでいました。「西の八高線加古川線と同様に、この路線も何気に「ここでしか出会えない」カスタム車両が集まる場所のようです。

「大回り」の最後は、中央快速線にオレンジ201系の置き換え用として集中投入されたE233系のスナップで締めましょう。

上の写真は、八王子駅折り返しの快速用となっている3番線に佇むE233系の10両編成。前任者(?)の201系と同様にこのE233系にも6両+4両の分割編成がアレンジされており、私が見た編成のほとんどは分割編成だったように思います(E233系では東京側が6両、高尾側が4両)。

このE233系で印象的だったのは、側面のLED行先案内板で次の停車駅が表示されることで、快速と特別快速の誤乗防止のためのアイテムとして大いに効果がありそうです。あとは車内の扉上に装備されている2画面のLCDディスプレイで片方がニュース&広告用スペース、もう片方が路線・停車駅・所要時間等の案内用となっています……「はてなフォトライフ」にアップした写真(8)のとおり。

20:28に高尾からやって来た東京行きの快速に乗り込むと……何となく車内LCDディスプレイに見入ってしまい(特に路線等案内表示は数モードをローテーションでやっていて飽きさせない)、「中央線ゼミナール」では、この歳にして初めて知った色々なビジネスマナーに深く恥じ入る次第でした。


それでは次回は「関東遠征」の最終回、「山スカ」115系電車のまたしても「前幌観測」です。