◆Vol49:関東遠征08春(3)中央線「山スカ」115系電車観測

「関東遠征08春」シリーズの今回は3回目、115系電車中央線仕様「山スカ」の観測記録です。


今回が最終回となる、この「第3スティント」であらかじめ「はてなフォトライフ」にアップした写真は以下の4枚です。


夜8時過ぎに八高線(南側)の電車で八王子に着いてから約12時間後……再び朝のラッシュが終わりかけた八王子駅八高線ホーム(1・2番線)に立っていました。中央線の「山男」「山スカ」こと115系電車が定期運用では新宿に姿を現さなくなってから15年余りが経過しましたが、今は毎日運行の「臨時快速列車」として「むさしの」号が大宮から武蔵野線を経由して八王子まで朝・夕の2往復(休日は1往復)運転されています。この日の「お仕事」はお昼からということもあって、都内のホテルを早々にチェックアウトした私は、ここ八王子で「快速むさしの」が到着するのを対向ホームの2番線から待ち受けていたというわけです。

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八王子駅でタキの入れ替えを行うDE10


「快速むさしの」が八王子に到着するのは9:50、まだ30分以上ある……とホームの新宿より端の喫煙コーナーで缶コーヒー片手にタバコを吸っていると、おもむろにディーゼルサウンドが聞こえてきました。上の写真のとおり、JR貨物継承後に青とクリームに塗り替えられたDE10がタキを引き連れて横浜線ホームと中央線下りホームの間の側線に現れたのです。

横浜線ホームへ移動して撮りに行こうかどうかと迷っている間に、DE10は後続のタキを切り離してするすると立川方面へ向けて走り去って行って……と5分ほど経って今度は八高線1番線脇の側線に単機で戻ってきました。DE10はセンターキャブの前後に重量配分等の関係から長さの異なるボンネットを持つ機関車で、長短ボンネットのどちらが1端側(ファースト・エンド)でどちらが2端側(セカンド・エンド)か、よく間違ってしまうのですが、wikipediaの解説によれば長い方が1端側、短い方が2端側とのことです。……「はてなフォトライフ」にアップした写真(9)のとおり


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快速むさしの号 八王子駅3番線に入線

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側線にたたずむDE10をスナップしながら、カラカラとディーゼルエンジンのうなり声を何とはなしに聞いていると、定刻の9:50に「快速むさしの」が立川方面から姿を現しました。上の写真では編成全体は見えませんが、使用車両は八トタ(豊田車両センター)の115系6両貫通編成(Mc+M’+T+M+M’+Tc)です(115系豊田車はMc+M’+Tcの3連組が基本で、6連組は1編成のみ)。……「はてなフォトライフ」にアップした写真(10)のとおり

【編成中の記号】
*<電動車>Mc(奇数向き)…クモハ115/M…モハ115/M’…モハ114/
*<付随車>T…サハ115/Tc(偶数向き)…クハ115

前幌付きのクモハ115側の「勇姿」は、はてなフォトライフのリンクをご覧いただくとして……ここでは115系「山男」の特徴的なスナップをアップしました。

まず、電動車のパンタグラフは、115系ではモハ114が受け持っており、国鉄型車両では通常菱形のPS16型が既定のパターンなのですが、中央線用のものはコンパクトに折り畳めるPS23からさらにシングルアームタイプのPS35系に換装されています。これは、中央線電化時にトンネルの拡大工事を回避し、特殊な架線を低い位置でアレンジしたため、トンネル通過時にパンタグラフをコンパクトに圧縮できるように開発されました。そして、パンタをPS23/PS35系に換装した車両には、側面車番表示の左側に識別記号の「◆」マークが付されています。

またここで「枝葉」ですが、中央線(東側)に115系電車の0番台が投入されたのは1966(昭和41)年のことでした。この際には狭小断面トンネル対策として、パンタを受け持つモハ114にはパンタ取り付け部分の屋根を低くするなどの仕様変更が行われ、「800番台」とされました。その後投入された300番台にはPS23型が開発(さらにシングルアームのPS35も)されていたので0番台のような+付番は行われず、◆の識別記号だけが付けられた……ということのようです。

<追記08.04.08>
モハ114-300のパンタグラフの件ですが、当初「PS23型シングルアームパンタ」としていましたが、たくやさんにその間違いをご指摘いただきました。当初は「コンパクトに折り畳める菱形パンタ」のPS23を装着し、さらに雪害対策としてシングルアームのPS35系に換装された(JRR「JR電車編成表」によれば1998(H10)年)とのことでした。ご教示ありがとうございます。↑のとおり訂正いたします。

と、いろいろなアングルから115系電車をスナップしている間に、折り返しの時間が過ぎ、回送幕を出した「快速むさしの」は立川方面に向けて引き上げていきました。さて、もう少し時間がある、どうしようか。最初はとにかく115系「山男」が撮れればいいやと思っていましたが、いざ記録に収めてしまうと、やっぱり橋上駅舎の影に邪魔されないクリアな状態で撮っておきたいと欲が出てきてしまいます。ちょうど10:17発の小淵沢行きが出発するということで、結局あと2駅先の高尾まで行くことにしました。
……「はてなフォトライフ」にアップした写真(11)(12)のとおり

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533M小淵沢行き


上の写真は、はてなフォトライフに貼った写真(11)の別アングル。豊田車の基本3連組×2=6両編成です。どうしても天気がいい日の駅撮りはホームの陰がかかってしまいますがこれくらいなら自分としてはまぁまぁといったところでしょうか。編成全体を撮って、前幌付きのクモハ115だけで撮って、側面車番表示、方向幕、中間電動車のモハ114や115、編成間の連結部分、幌なしのクハ115…と撮り進めていこうとしていたその時、うっかりしていたのですが、デジカメのバッテリーが上がってしまいました。今メインで使っているデジカメは充電式で一度フル充電すれば相当長い間保つ(約600枚ほど撮れる)のですが、今回の「遠征」では鉄道博物館では300枚近く撮ったばかりか動画も何ショットか撮り、そしてホテルでも繰り返し撮った写真や動画を見ていたのですっかりバッテリーを消耗していたのでした。肝心なところで痛恨のエラー(爆)。

残念ながら今回の「観測」はここで終了です。側線で憩う115系長野色も撮れずじまいで敢えなく撤収となりました。電池式ならKIOSKかコンビニで電池を買ってくればよかったのですが。次からは充電セットも持っていくことにしましょう。