●第38回:JR西日本125系電車の幌座~幌座のいろいろ(4)

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JR加古川線・谷川駅 クモハ125-10(1)800pix版/2008.08(はてなフォトライフ)

クモハ125-10 加古川線谷川駅 2008年8月

1 125系電車の概要

「幌座のいろいろ」シリーズ、今回の「テキスト」は、JR西日本ローカル電化区間の”ニュー・コミューター・ヒーロー”125系電車です。現時点では「地域限定」の希少車ということもあり、本題に入る前に、簡単にこの125系の概要を以下のとおりまとめておきましょう。


詳細は上記wikipwdiaの記事をご覧いただくとして、概要は以下のとおりです。

※運用区間は、加古川線小浜線舞鶴線(東舞鶴-西舞鶴)、北陸本線(敦賀-長浜)の各区間
※配置・増備の概要は次のとおり。
◎1次車(cMc125-1~8)  …小浜線直流電化(2003年3月)に伴い新製配置
◎2次車(cMc125-9~12)  …加古川線直流電化(2004年12月)に伴い増備
◎3次車(cMc125-13~18) …北陸本線敦賀直流化(2006年10月)に伴い増備、1次車と共通運用
※構体のベースは223系2000番台、単行運転可能な両運転台車(最大5両編成まで)
※3ドア(側面中扉は準備工事)、全車常時半自動扱い(自動扱い可能)
※台車は前位(奇数側:西脇・谷川/敦賀)側のみ動力台車で実質は「一人1M1T」
※内装は1・2次車は1+2列のクロスシート(1次車はのち2+2に改造)、3次車は2+2列
※トイレは後位(偶数側:加古川/東舞鶴/長浜)側に車いす対応の洋式を装備
※2次車・3次車の妻面助士側には作業用のステップを装備
パンタグラフは後位側にシングルアームWPS28A(2次車以降はWPS28B)を1基装備
(125-6,7,8,11,12は前位側にも霜取り用に1基増備。3次車の2パンタは-16~-18か?)

で、肝心の(?)貫通幌については、
※貫通幌は、ジャバラタイプの片持ち式1枚幌を後位側に装備
(つまり、シングルアームではあるけれど「前パン・前幌」)
※3次車の幌は、幌枠上辺両端に幌吊を装備
となっています。



上の写真は、配置後約3年余が経過した加古川線用の125系の幌付き側ですが、投入当初はビシっときれいに折り畳まれていた幌もさすがに増解結を繰り返すうちに程よく”やつれて”きたようです。やはり貫通路上部を防護・補強する上布の折りたたみ処理が難しいのかもしれません。

それはともかく、125系の貫通幌の特徴ですが、このようにズームアップして見てれば、或ることにお気づきでしょうか。125系の妻面は、イメージとしては平面のように思われるのですが、よくよく見てみれば腰板部から上は、どういえばいいのか、少し切り欠いたような形状になっています。そこで、真っ直ぐに貫通幌を装着するために、写真のとおり腰板部から上と幌の間には厚みのある黒いアタッチメント状の物体が見えています。

この部分は、以下の過去記事にもズームアップした画像を載せています。
●第22回:前幌・前パン観測記録~福フチの食パンカフェオレと小浜線125系


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JR加古川線・市場駅 クモハ125-12前位側/2007.09(はてなフォトライフ)

クモハ125-12(前位側) 加古川線市場駅 2007年10月

3 幌座の形状

それでは、今度は幌を装着していない前位側からの写真を見てみましょう。

ご覧のとおり、妻面の段差を調整し、幌を真っ直ぐに装着するために、貫通路は、直方体の箇体を楔状に打ち込んだような形態になっています。そしてそれがそのまま「幌座」としての役割を兼ねていると思われます。

つまり、貫通路のユニットをそのまま妻面に埋め込んだようなイメージ、とでも言えるでしょうか。

今回の記事の「テキスト」125系電車の画像については、他にも様々なアングルから撮ったものを「はてなフォトライフ」にアップしていますので、またご覧いただければと思います。



次回は……強引な「力技」で流線型の前頭部に幌を装着しているJR東海キハ85系(特急「ひだ」用)の幌座をレポートする予定です。