◆Vol52:14年ぶりの北陸トンネル通過~北陸&大糸線「青春18」フィールドワーク




敦賀からは北陸本線普通列車糸魚川まで小刻みに乗り換えていきます。
まずは福井行きの243M(11:43発)。


三ノ宮から乗ってきた223系新快速が引き上げた同じ5番線に入ってきたのは……2006(平成18)年の敦賀直流電化時に新製投入された交直流電車・521系の2両編成でした。姿形は223系5000番台(岡山-高松間快速「マリンライナー」用)や5500番台(福知山バージョン)の交直流版といったところです(というかそのもの)。

この521系の特徴としては、上の写真をご覧いただければお分かりかと思いますが、駆動モーターのない写真手前側のクハ520-3にシングルアームパンタグラフが付いているところで、床下にもぎっしりと各種コンポーネンツが並んでいるので、車番を見なければ「クモハ」と勘違いしてしまいそう。重量バランスを考慮したためなのか、こういう「クハ」や「サハ」にパンタを受け持たせるパターンはJR九州の813系などいくつか例があるので、最近のトレンドなのかもしれません。


北陸トンネルを抜けるのは今回本当に久しぶりでした。

神戸に地震があった年の夏に仕事で福井に出張に行って以来ですから14年ぶりになります。全長13870m……さっき電卓を叩いてみたら、通り抜けるのに80km/hなら10分程度、100km/hなら8分12秒くらいかかる計算です。以前超遠回り。。余部鉄橋訪問記(7)敦賀~東舞鶴でup主のトンコさんが「北陸トンネルの中で高田渡の『トンネルの唄』を口ずさんでみた」と書かれていて、私も「その間何かまとまったことを考えたり、『人間トランスポンダ』と化して頭の中で音楽2曲くらい流すのにはちょうどいいかもしれませんね。」とコメントさせていただいたことがありました。

……ということで、今回は家を出る直前に慌ただしく探し出してカバンに入れてきたビクター製のデジタルオーディオプレイヤーで80~90年代のユーロビートを柄にもなく聞きながら先頭車両の「かぶりつき」のポジションに張り付いてみました。その際に撮った動画もYouTubeにupしてみましたので併せて貼り付けます。


北陸トンネル通過 -YouTube/okekenigel
(敦賀行き419系普通電車とのすれ違いシーン)


(1)は…もちろん私自身もリアルタイムでは知らないのですが、トンネル開通以前の旧線(北陸本線の、というか当時の日本の鉄道随一の難所だった)を思い浮かべながら、そして(2)は……タイトルをご覧になっただけでお分かりの向きは多いかと思いますので言わずもがなでしょう。実際に聞いていただければなぜ私が「ユーロビート」の曲を敢えて選んだかもお分かりいただけるのではないかと思います。



このあたりは、標高自体は数百メートルほどですが、地形上有数の豪雪地帯で、冬には「特急街道」でもある大動脈を、また地域交通を維持するために除雪車が大いに活躍するようです。除雪車の背景に立っている「今庄365スキー場」の看板との並びが印象的だったのでスナップしてみました。ちなみに「365」とは地域の幹線道路の国道365号線を指しています。

【09.08.06追記】
国道365号線は、滋賀県木之本町余呉町区間は深坂トンネル開通前の北陸本線(後の柳ヶ瀬線→廃止)のルートをかなりの部分で転用しています。


福井の少し手前の鯖江で特急の待避待ちで4分停車、この後乗り継いだ列車も特急に道を譲るために所々で数分~15分程度停車します。このあたりから夏休みの補習帰りなのか、あるいはこれから部活なのかよくわからないのですが、中高生の集団が次々と乗り込み、山あいを走る列車のまったりとした空気が賑やかになってきました。

福井到着は12:38。ここでまた乗り換えです。

「メインディッシュ」の大糸線への乗り換え駅、糸魚川はまだまだ先です。