◇韓国・第4回:東大門(2006年)
「韓国の旅」の4回目は…そろそろ今年の旅行記に入りましょう、ソウルの現存する2つの大門のうちの一つ、東大門です。
東大門の正式な名前は、下の写真でもお分かりのように「興仁之門」。1398年に城郭都市ソウルの東西南北の入口の一つとして建設され、李朝末期の1869年に改築されました。もう一つの現存する門である南大門と同様に、門の回りには市場や屋台、露天、そして最近ではショッピングモールが建ち並んでいます。
私が東大門へ行ったのは、今年の旅行の最終日の午前中、広域電鉄1号線の南營(ナミョン)駅でKTXやセマウル号などをスナップした後(「海外の鉄道・バスの旅」◇【第3回】KORAIL・セマウル号参照)のことでした。広域電鉄1号線の北の終点・議政府北部(ウィジョンブ-プクブ)行きの電車に乗ると、次のソウルからはしばらく地下鉄区間です。途中市庁(シジャン)、鐘路5街(チョンノ-オ-ガ、日本風に言えば鐘路5丁目、といった感じか)を経て10分ほどで東大門(トンデムン)に到着です。
地下鉄の改札から地下道へ出ると、もう既に屋台や露天が階段にまで沿って立ち並んでいます。ちょうどお昼前に当たっていたからか、店番のアジョッシ(おじさん)やアジュンマ(おばさん)は食器を並べてお食事中で、今風の繁華街の明洞(ミョンドン)とはまた違った何ともディープな雰囲気でした。いや、私はここに別に何かを買いに来たわけではなく東大門と、清流が甦ったという清渓川を少し散歩しに来ただけだったのですが、お店を見て回って時間を潰しているだけでも何となく楽しそう。
ちょっと私の写真ではわかりにくいのですが、この東大門の特徴は、門の外側に半円状の外壁があることで(「甕城」というそうです)、門の正面には、正式名の「興仁之門」の額がかかっていて、門を取り囲むようにロータリー状の交差点になっています。街自体は昔からの市場があるところなので、川沿いのショッピングモールを除けばちょっと古びた感じもするのですが、それでもこの門、とりわけ石造りの外壁には、突然地下から現れた遺跡のような不思議な質感がありました。
下の写真ですが…左側に移っている教会の十字架との組み合わせも何とも妙な感じです。そして、数百年の歴史を持つこの門を取り囲むように走り回っているのは現代風の妙にエモーショナルな形をした自動車の群れ…「何なんだここは」と一人で理不尽なツッコミ(笑)を入れながら、人の流れから少し外れて私はひとしきりデジカメのシャッターを切っていました。
次回は、東大門の交差点のすぐ側を流れている清渓川にも足を伸ばしてみます。