◇第4回:男爵いものふるさと

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男爵資料館 2005年10月22日 10:15


上の写真は、上磯町の「男爵資料館」1Fに展示されているアメリカ製のトラクターです。エンジン、ラジエータむき出しですが、きれいにまとめられたレイアウトで、1台・・・もらっても私ではどうしようもないですね(笑)。ちなみにこのトラクター、きちんと整備し直したそうで、エンジンがかかって動くそうです。

2日目、我々「枯山水組」(第2回参照)は、北都交通の定期観光バス「大沼公園遊ゆうコース」に乗りました。昼食代、入場料等も込みで6,000円。朝9時半に函館駅前を出発、午前中は男爵資料館とトラピスト修道院に寄り、大沼公園で昼食、遊覧船に乗ってから、午後は城岱牧場を経由して・・・後はまぁ「ノルマ」(笑)ということではこだてわいん工場と昆布館に立ち寄って夕方4時半頃に函館駅に戻ってくるというコースです。

函館の市街地を抜けると、函館湾沿いの道を上磯町へ向けて進み、途中七重浜を通るのですが・・・七重浜といえば、1954(昭和29)年の台風15号青函連絡船・洞爺丸が遭難した事故を思い浮かべる方も多いと思います。ただこの話始めると長くなりそうなので、ページの最後に外部リンクを貼っておこうと思います。ご参考までにどうぞ。

で、「男爵資料館」の「男爵」とは川田龍吉男爵のことなのですが、正直初めて聞く名前で、最初は単に地域の名士の記念館・・・という感じで、この人が男爵いもを日本に広めた人とは知りませんでした。

バスを降りて記念館に入ると、モーニングの正装にちょび髭、山高帽を被ったおじさんというかおじいさん(役場のOBかな?)が現れ、展示品の説明を始めてくれたのですが、まぁいかにもという感じで(笑)。それよりも資料館に着く直前に通った渡島当別駅で待避待ちしていた「エコパワー金太郎」EH500牽引の貨物列車のことが気になっていたくらいでした。ええ、私、鉄ヲタですから。

でも、このトラクターを見た瞬間、それまでのちょっと斜めに構えていた気持ちはどこかへ行ってしまいました。エンジンやラジエータのレイアウトと、鉄(真鍮?)の鈍く黒光りした質感が絶妙にマッチしていて、全体としてきれいな鉄のマス、というか塊の存在感に圧倒されたのです。

資料館全体としては、1階が農機具、2階が日用品や調度品、そして別館には日本最初の自家用車とされる「ロコモビル蒸気自動車」が展示されているのですが、鉄の鈍く黒く光った独特の質感は全体に共通していて、展示しているスペースはさほど広くはないのですが、どれもこれも見飽きないというか、私なら2時間ぐらい余裕で時間をつぶせそうです。それから、1998年に金庫を開けてみたら出てきたというイギリス留学時代のラブレターも展示されていましたが、まぁそれはご愛敬ということで(笑)。というかそもそも男爵没後52年も経ってから「金庫を開けてみたら出てきた」というノリが笑えますね・・・。

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【上左】これ、あれですかね・・・トイレの換気塔のてっぺんで回ってるやつ?
【上右】1901年式ロコモビル蒸気自動車(整備済み、運転可能)。当時の価格は2,500円(現在の1億数千万円相当)!これを男爵はキャッシュで買ったそうな。
【下左】男爵資料館全景。右端に見えるのが現存する唯一の木製サイロ。
【下右】資料館前の芝生と渡島当別駅跨線橋。このブルドーザーは、男爵が若い頃岩崎弥太郎氏に援助を受けていたからでしょうか、三菱製でした(笑)。