▲Rd4:サンマリノGP:勝手にドライバーズ・コンテスト

ちょっと、いや結構「筆が滑る」部分も多々あるとは思いますが、その怒りは笑って受け流しつつも、コメント欄へぶつけて下されば幸いです。

第4戦 サンマリノGP

●ポール・ポジション ミハエル・シューマッハ(フェラーリ) 通算66回目<新記録>
●優 勝 ミハエル・シューマッハ(フェラーリ) 通算85勝目<最多記録更新中>

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【今回「頑張ったドライバー」】




久々に「熱く守り抜く」レースを見せてもらった。初戦こそ復活を印象づけたレース運びだったが、その後は2戦続けて「いかがなものか」という結果だっただけに、今回の結果によってはシーズンの興味が失われてしまうところだった。アイルトン・セナの記録を更新する66回目のポール・ポジションから飛び出したミハエルは、第2スティントで案の定アロンソの激しいラッシュを受ける。4秒あった差をみるみる詰められ、何度もアロンソに詰め寄られ、首位を明け渡すのも時間の問題か、あるいは2度目のピット・ストップで前に出られてしまうのでは、と思われた。マシン的にはルノーの方に勢いがあったのは明らかな状況の中でミハエルは「パッシング・ポイントはトサ・コーナー一点のみ」と見極めるとトサで守りきるためのドライビングを組み立てて、度重なるピンチをノーミスで切り抜け、トップの座を熱く守りきってみせた。

あと忘れてはならないのは、2回目ピットストップでのフェラーリのピット・ワークもミハエルの熱いディフェンスをしっかりサポートした、ということである。ピットクルー「7.1秒のフェラーリ・マジック」でミハエルを再びアロンソの前に送り出した。ホンダとは実に対照的だった。依然としてシーズンの流れはルノーにあり、最終的に勝つのはアロンソルノーということになるかもしれないが、「そう簡単にはいかないな」とフラビオを苦笑いさせたこの1勝は大きい。

フェルナンド・アロンソルノー:決勝2位)6点


第2スティントでミハエルを追いつめるまではまさに彼とフラビオの描いたシナリオ通りだったと思われる。トサで度々仕掛ける彼の様子にはまだ余裕が見て取れた・・・。でも相手はミハエル・シューマッハ「氷のミハイル」の懸命なディフェンスの前にどうしても前に出ることができない。それでもひたすら20周以上にもわたってプッシュし続ける集中力、ナノの攻撃をしのげるのはミハエルだけ、ミハエルをここまで追いつめることができるのもまたナノだけ・・・と思わせるほどのバトルだった。残り4周、フジの実況映像ではミハエルのリヤタイヤからのカメラ目線・・・ミハエルを追走するナノがビルヌーブの縁石につまずいて一瞬横にスライドしていったシーンが写し出された。ミハエルの勝利がほぼ確定的となったこのシーン、アロンソリカバリーは見事だったが、ナノのわずかなミスだったのか、それとも、・・・だったのかは定かではない。

ファン=パブロ・モントーヤマクラーレン:決勝3位)3点


レースそのものは、これといってミスなく、でもミハエルとアロンソには歯が立たないままで得た今季初の表彰台。でもイモラまでの3週間、インタビューではおもむろにチームメイトに対して批判的なコメントを入れ、テストではチームスタッフと揉めまくって、エンジニアから「オマエのクルマなんか作りたくない」とまで言われたモンちゃん。でもそれでいい。相手が誰であろうと、その「あんた何様・・・おれ様」なキャラこそモンちゃんの本懐。で、今回は予選でも決勝でもチームメイトを上回ってみせた。何か我慢したまま淡々とレースをこなすぐらいなら、スタッフやチームメイトとケンカしながらでもいい、「オレの方がオマエラよりずっと速いんだ」と言わんばかりのドライビングでチャンピオンシップを盛り上げてもらいたい。もっとも私はそんな人と実際に関わりになるのは辛いものがありますが。


マーク・ウェバー(ウィリアムズ:決勝6位)1点


華々しいデビューを飾った大型新人のチームメイトとして、何気に目立たないポジションにいつしか立たされてしまった感はあるが、それでも今回は早々と消えてしまったチームメイトを後目に予選10位から追い上げて5位入賞。元々一発の速さは持っている人、今後もチームメイトとのバトルの行方を注目していきたい。

佐藤琢磨スーパーアグリ:リタイヤ)0点


「0点攻撃」ではあるが、今回は彼にネガティブ言及をしたいわけではない。4戦目にして初のリタイヤ、これまで井出とセットで予選も決勝も常にテール・エンダー・・・。スタートで直近のライバルたちを出し抜いても結局最後はこのポジションに・・・とは琢磨自身覚悟はしていただろうが、実際そうなってみるとかなり精神的にはつらいものがあるだろう。ホンダのバトンが不用意にもインタビューで井出についてネガティブかつ辛辣なコメントを残しているが、同じホンダ・ドライバーに対してそんなみもふたもないコメントを入れてしまうバトン自身の「脇の甘さ」はともかくとして、琢磨も含めスーパーアグリに対して他のチームのドライバーたちがどう思っているか、今更ながらにあけすけにしてしまった感は否めない(だからAUTOSPORT Webはすぐさま記事を削除したのだろう)。

日本のF1ファンにしても、「それでも琢磨・井出頑張れ!」と応援し続ける人ばかりではなく、「だから日本人には所詮F1なんか無理なんだよ」と期待感の裏返しの失望感をあらわにする人たちもいるだろうし、「あんなのに注目するのはミーハーの日本人だけ、元から取るに足りないんだよ」とそれ見たことかと言わんばかりに斜め上から見下すようなスタンスを得意げに取ってみせる人たちとか、スーパーアグリへのネガティブな思いがこれからますますあらわになってくると思われる。そんな状況の中で彼ら、とりわけ琢磨の心の支えとなるのは一体何だろうか・・・果たして1年間、いや少なくとも新車SA06のリリースまで気持ちを保つことができるのだろうか・・・。それから応援し続けるファンもそのテンションをシーズン終了まで保ち続けることができるのだろうか・・・。

スーパーアグリが今苦悩のまっただ中にいながらも参戦を続けるそのプロセスは素人目にも察するに余りあるが、そのプロセスへの理解を得るためにも何かの結果を求められているのは如何ともしがたいところだろう。何でもいい、嘘でもいい、「完走」以上の何か「日々インプルーブしていっている」何かを感じさせてほしいと痛切に思う。



【「今回頑張ったドライバー」第4戦までのランキング】
1位 30点 フェルナンド・アロンソ(ルノー)
2位 18点 ミハエル・シューマッハ(フェラーリ)
3位 10点 ジャンカルロ・フィジケラ(ルノー)
4位 5点 キミ・ライコネン(マクラーレン)
5位 3点 ファン=パブロ・モントーヤ(マクラーレン)
5位 3点 ラルフ・シューマッハ(トヨタ)
5位 3点 ニコ・ロズベルグ(ウィリアムズ)
8位 2点 ジェンソン・バトン(ホンダ)
8位 2点 アンソニー・デビッドソン(ホンダ)
8位 2点 佐藤琢磨(スーパーアグリ)
11位 1点 マーク・ウェバー(ウィリアムズ)
11位 1点 デビット・クルサード(レッドブル)