▲「F1小町」ジョバンナ・アマティ

今回の「古館語録」は、1992年にブラバムからF1シーンにチャレンジしたジョバンナ・アマティです。

彼女はイタリアの裕福な工業実業家の家に生まれ、国際F3000選手権を経てブラバムのシートを射止めました。本来ならこのシートは「3人目の日本人レギュラー」として中谷明彦氏の参戦が内定していたのですが、実績等の関係からスーパー・ライセンスがFISAから発給されず、ジョバンナ(でも彼女にはF3のタイトル歴も国際F3000での入賞実績もなかった)にシートが回ってきたわけです。

イギリス人のデジレ・ウィルソン以来10年振りの女性ドライバーのF1参戦ということで話題となりましたが…残念ながら力不足は否めず、一度も予選を通過することなく、シーズン序盤の第3戦ブラジルGPを最後にチームを去ることとなってしまいました。その後釜に収まったのが、当時ウィリアムズ・ルノーのテストドライバーを兼ねていたデイモン・ヒルでした。


(1) F1小町


確かに何か「小股の切れ上がった」シャシシャキしたお姉さん、いや姐さん、といった感じでした。でもって気のキツさも相当なモノだったようで…でなければ体力的にハンディのあるレーシングドライバーは務まらないのかもしれません。


(2) セナよりも、マンセルよりも注目のニューカマー


開幕戦南アフリカGPでは、久々の女性F1ドライバー、しかも美人、ということで大いに話題を振りまきました。レーシングスーツにもしっかりマールボロのワッペンが付いていたのを覚えています。


(3) サーキットにレディー・ファーストはない!


これも開幕戦南アフリカGP・ドライバー紹介での古館絶叫。アマティ姐さん、「イロモノ」扱いには大いにご不満だったようで、周りの人たちが「一人前のレーシング・ドライバーとして見てくれない」とよくぼやいていたそうですが……国際F3000で5年走って最高位が7位、それでF1に来てしかも予選落ち連発ですから、男でも同じ扱いじゃないでしょうか…。


(4) アマティ、アマくなかった落ちましたね…


これも開幕戦でのフルタチさんのスマッシュ・ヒット(爆)。相方の今宮さん(ってボケとツッコミかい)が思わず苦笑していたのを覚えています。余談ですが、ジョバンナはその後、ニキ・ラウダとの不倫スキャンダルに巻き込まれることになるのですが、後の「F1 Racing」誌(1999.5)のデジレ・ウィルソンとの対談記事によると、ニキはジョバンナにこう言って口説いたそうです。

彼は私にエンゲージ・リングを渡してこう言ったの「すぐにレースを辞めるんだ」と。

うーん、こういうこと人前でペラペラしゃべるから「イロモノ」扱いされるんじゃないか…と私は思いますねぇ…ある意味そこが彼女のキャラの魅力なのかもしれませんが。


次回は80年代~90年代前半を代表するマシン・デザイナーのジョン・バーナードの予定です。


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ジョバンナ・アマティとウィリアムズFW14B

●Atlas F1より (http://atlasf1.autosport.com/timeline/90s.html)


【関連リンク】
●G.Amati -はてなブックマーク(nigel's bookmarks for bookshelves)
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